台所からジュウジュウと油のはねる音がする。 遥が料理してる音だ。 割烹着に身を包んで、後ろからも分かるくらいにごきげん。 …………遥はいっつもおれに優しい。 何か手伝ってあげようか?って聞いたら、 「洗濯物畳んでて」 って言ってくれて。 すぐ畳んで遥の所に行った。 「いい子だね」なんて言って、あたまを撫でてくるもんだから、ちょっと照れちゃった。 遥は野菜炒め?を作ってるみたいだ。 「あ、もう畳み終わったんだ。……じゃあ、洗っといてもらえる?」 「うん。任せて」 遥は料理が上手だ。 野菜炒めは、遥の得意料理で、いつも作ってもらってる。 ちゃんとお礼をしたい。……けど、遥の望みがよく分からない。 遥は、おれとどう接して欲しいのかな。 「なあ、遥」 「んー?」 「遥は、おれのことが好きなん?」 「……え?うん、もちろん好きだよ」 遥が野菜炒めを混ぜながら言う。 「それは……レンアイ的な意味?」 「そうだね」 「…………そっか」 ……そうだったのか。 でも、おれには恋愛なんて分からない。 ある日おれは遥の部屋に入って、遥の机の下に隠れて た。 遥が帰ってくる時間になっても、遥は帰ってこない。 しばらくしたら、玄関が開く音がした。 遥だ。 「たっだいまー!」 そう言って、遥は椅子に座って、パソコンを開く。 「お、返信きてる!」 遥が幸せそうな顔をする。 「遥、おかえり」 「あ、ただいま。……あれ?ここに隠れてたの?」 「うん。遥のこと待ってた」 「……そっか。一人ぼっちで寂しかったんだね、ごめんね」 遥がおれを抱っこして、膝に乗っける。 「寂しかった。……寂しかったけど、嬉しい」 「ふふふ、甘えん坊さん」 「おれさ、遥に助けられてもう大分経ったし……今度はおれが遥のことを助けてあげたいんよ」 「え?本当?」 遥が笑顔になる。 「うん。……だから、遥のしてほしいこととか教えてほしくて」 「じゃあ……一緒にお風呂入ろうよ!」 「……ん?なんで?」 「だって……二人っきりになれるじゃない」 「え、それだけ?」 「あと……私の身体綺麗にしてほしいな……」 遥が目を逸らす。……この人何考えてんの? 「いやまあ別にいいんだけどさ……なんでそんなことを?」 「だって……その……」 遥が言いにくそうにしてる。 「あのね、私実は……その……男の人とエッチしたことなくて……それで……色々教えても...