料理や採集、あるいは頭脳系のほうが性に合っている。 「村長から、お前はこれから俺の家に泊めるように言われてんだ。まぁこれからよろしくな」 え? あの虚ではダメなのか? まあ、確かに少し丘の上にあるし、わざわざ毎回あそこまで物資を持ってきてもらうのも忍びないが。 しかし、そんなに簡単に余所者を招き入れていいのか。いや、余所者だからこそ、囲っておきたいのだろうか。 「夜になるとあの辺はモンスターも出るしな。寝てる間はたぶん何かが守ってくれていたんだろうが、起きてまで続くか分からんだろう。せっかくの人材だからな」 なるほど。まぁ、村のおきてなど、馴れさせたいものもたくさんるだろうし、村人の家にホームステイさせた方が何かと便利と言うことか…。 「ってわけだから…まずはとにかく、『沐浴』だな」 そう言ってウォラは俺の全身を見渡す。髪と髭は伸び放題だし…体も確かに痒い。成長していたと言うことは、新陳代謝はしていたと言うことなのだろうか。まぁ、正確なところはさておき、体を洗えるのはありがたい。 ウォラに案内されたのは家の裏にある土手のような場所だった。池でもあるのだろうか…そう考えていると、彼は納屋のような小屋のドアを開けた。 「さ、やってくれ」 「ここは…」 ご見捨て場じゃないんですか?と言おうとして、なんとか言いとどまった。 俺の世界の感覚では、便所のように、深い穴が開いており、何かを「投棄」することを連想する。 底は、よく見えないが、川が流れているとか、冷たい空気という感じではなかった。 「なんだ? 入り方分からないのか? そうか、記憶喪失だったな。じゃ、手伝ってやるよ。準備はいいか?」 分からないのに、準備なんてしようがあるのか? と聞くまえに、俺は巨体にタックルされ、その穴の中へと落ちていった――。 いじめ もしかしてこれは、新人いびりの類いなのだろうか?もしくは、通過儀礼や試験の類いか、或いは本当に俺を殺すつもりで―― そう思いながら俺は奈落の底へと落ちると、むにゅという生暖かかい感触に受け止められた。 ううん、これは、前の世界では体験したことがない。そう、強いて言えばスライムの海のような―― 「――スライム?」 そう言えば聞いたことがある。 「異世界」では、スライムが体を...