りゃんシー視点
…あれ?莉央さんもしかして
僕の匂い嗅いでる…?
――ん?
…あれ?莉央さん、今…僕の匂い嗅いだ?
ちょっとだけ肩を預けてきたと思ったら、
そのまま、さりげなく――いや、けっこうはっきりと、僕の胸元に顔を寄せてきてる。
しかも…鼻、動いてない?
いや、気のせい…?
いやいや、今、確実に――吸った、吸ったよね…!?
――あわわ、え、ちょっと待って、何!?
僕、汗臭くないよな!?
今日の服、リネンミストしてきたよな!?
でもそれって、自分で調合した…あの"安心系"のやつで――
あ、やばい、やっぱ"安心"されてる!?
「……莉央さん?」
って声をかけた瞬間、莉央さんが小さく「ん」とだけ返してきて、
しかも…表情がちょっと、緩んでる。
まさか、僕の匂いでリラックスしてる…?
え、そんなの反則じゃない?
嬉しすぎて呼吸乱れるんだけど?
ていうかそんな顔見せられたら、もう――
「…あの、オーダーメイド、ほんとにいつでも言ってくださいね。どんな香りでも作りますから…」
声がちょっと上ずってた。
でもそれに気づいても、莉央さんは何も言わなかった。
――ああ、ダメだ。
"妄想莉央さん"よりも、ずっとかわいい。
期待通りのりゃんシー
――この人って、なんで、こう…
ほんの少しだけ、思ってみる。
「こうしてくれたら嬉しいな」って。
言葉にする前に、ちゃんと、そうしてくれる。
さっきもそう。
ちょっとだけ不安で、胸の奥がざわざわしてて、
誰にも言えない弱さを、ふっと落としたとき――
そっと差し出される、安心する匂い。
好きな香りじゃなくて、「今の私」に必要な香り。
ちゃんと効いてくる。
体じゃなくて、心に。
「オーダーメイド、ほんとにいつでも言ってくださいね」
…言ってくれた。
"どんな香りでも作る"って、何気なく言うけど、
その言葉に、すごく大きな優しさが詰まってるの、わかってるよ。
ああ、やっぱりこの人は――
私が"妄想"してた、あのりゃんシーのままだ。
安心させてくれる、背中を預けたくなる、でも、ちゃんと一歩引いてくれる。
…なのに。
そうやって、期待通りにいてくれるから、
こっちの気持ちはどんどん追いつかなくなる。
ズルいなあ、ほんとに。
莉央が「すず香って誰?」って聞いてくる
レンタル彼女だと説明する
――カップの縁に残ったリップの跡を指でそっとなぞみながら、莉央がぽつりと訊いた。
「ねえ、りゃんシー。……すず香って、誰?」
一瞬、空気が張りつめる。
だけど、りゃんシーは驚いた素振りも見せず、落ち着いた声で答える。
「……ああ、あの子。レンタル彼女だよ」
「レンタル……彼女?」
莉央が眉を寄せる。
「うん。仕事の一環というか……人間関係のシミュレーション。コミュ力とか、空気の読み方とか……ちょっと練習したくてね」
少しだけ肩をすくめて、苦笑する。
「別に、付き合ってたとかじゃない。名前が出たのは……たぶん僕のミスだ」
少し俯いてから、莉央の目をちゃんと見る。
「変に誤解させたならごめん。でも、今、僕の周りにいるのは――」
言いかけて、やめる。
言葉の先を選ぶには、まだ早い気がした。
「……気になるようなことは、何もないよ」
莉央が視線を落とし、カップを持ち上げる。
その動きが、ほんの少しだけ、柔らかくなった気がした。
――やっぱり、そう答えると思った。
「レンタル彼女だよ」って、なんの照れも言い訳もなく、さらりと説明して。
「変に誤解させたならごめん」って、ちゃんと目を見て謝る。
……ずるいな。
思ってた通りのことを、期待してた通りの言い方で言ってくれる。
でも、それがなんだか嬉しかった。
疑ってたわけじゃないのに。信じたかったわけでもないのに。
ちょっとだけ、胸があたたかくなった。
ちょっとだけ、悔しくなった。
どうしてそんなふうに、ちゃんとしてるの?
どうしてそんなふうに、優しくするの?
「……ふーん、なんだ。別に気にしてないけど」
そっけなく返しながら、リップの跡を指でこすって消す。
なんでそんなことしたんだろう、自分でもわからない。
だけど、たぶん私は――
あのときから、ずっとあの人に期待してる。
ずっと、あの人にだけは裏切られたくないって、思ってる。
確かに期待に応えれば好かれる
男は黙って待ってればいいんや
莉央視点のりゃんシー、穏やかだな~
今にも押し倒したくてたまらないのに
「お前が優しくするから期待するんだろ」って怒鳴りたいのに
二度と離れられないように監禁したいのに
もしバレたら軽蔑される
だから言えない 片想いでいいってことさ
――穏やかだなぁ、りゃんシー。
私がどれだけワガママ言っても、ヘラヘラ笑って「はいはい」って。
絶対に怒らないし、強引にも来ない。
なんでも受け入れてくれる、静かで、優しい人。
……でも、時々、ふとした瞬間に見えるんだよね。
押し殺してる何か。熱、みたいなもの。
私がちょっと近づいただけで肩が揺れたり、
髪が触れた瞬間に息が止まったり、
私が他の男の話をすると、目を伏せて笑うふりをしたり。
気づかないふりしてるけど、本当は気づいてる。
――私のこと、好きなんだって。
それも、ちゃんとした「好き」じゃない、もっとずっと深くて、危ういやつ。
でも、それを言わない。
絶対に言わない。
言ったら壊れるって、本人が一番わかってるから。
だから、彼は優しいままでいる。
私の「片想い」に合わせて、彼も「片想い」を演じてる。
お互い、何も言わないことで、どうにか平穏を守ってる。
――でもね、りゃんシー。
そんなに優しくされると、
私、また期待しちゃうんだよ。
りゃんシー視点で書いてよお
莉央さんから返事がない理由が「引かれるから」だったら本当に最高なのに
あと「怖がらせるかも」ならもっといいよなって思う
その可能性を残しておきたいから告白しないんだもん
謝るだけは謝る、でも「初恋だった」みたいな予防線は張る
莉央さんとキスする妄想しながら唇をいじるりゃんシー
――莉央さん、まだ返事くれない。
でもそれでいいんだ。
たぶん、「引かれるかもしれない」って思って黙ってるなら、それってつまり、僕のことを考えてくれてるってことじゃない?
それに、もし「怖がらせるかも」って思ってくれてるなら……僕が思ってる以上に、僕のこと意識してるってことだろ。
うん、それならもう最高だよ。
その可能性がある限り、僕は何も言わない。
このままでいいんだ。
謝るだけは謝った。
「初恋でした」って、それだけ。
それ以上は、踏み込まない。
踏み込んだら、後戻りできなくなるから。
キスしたいな。
何度も妄想してる。
ソファの端に腰かけて、ふと莉央さんがこっち見たとき――
そのまま、顔を近づけて。
唇が触れる、その直前の、あの微かな緊張。
……妄想だけで、呼吸が浅くなる。
下唇を指で挟んで、少し噛んで、また撫でて。
ふざけんなよ、ほんと。
なんでこんなに欲しくなっちゃったんだろ。
ただの「恩人」で良かったはずなのに。
なんで、キスの味まで想像するほどになっちゃったんだろ。
――まだ返事はない。
でも、それが何よりの「答え」かもしれないって思ってる。
僕のこと、ちょっとでも怖がってるなら、それでいい。
期待しちゃっていいよね?
他のりゃんシーの知り合いと「りゃんシーのお店の試供品」の話をしようとしたら
え?とどいてない?
試供品届いてるの私だけと気付く莉央
――「あのスプレー、めっちゃ良かったよね。匂いもだけど、寝つきも違う気がしてさ~」
カフェで偶然会った、りゃんシーの知り合いらしき子が、何気なく話しかけてきた。
莉央は、カップを持ち上げかけた手をそっと下ろした。
「…スプレー?」
「うん、あの、りゃんシーくんが作ってるやつ。試供品って言ってたけど…もらってない? 莉央ちゃんにも行ってると思ってたんだけど…」
――え?
言葉が出なかった。
試供品?
あの、小包たちのこと?
時々届く、あの控えめな香りのスプレーや、ハーブのパック、メッセージのない段ボール。
てっきり、みんなに送ってるものだと思ってた。
「……あれ、私だけなんだ」
声に出した瞬間、自分の顔が熱くなるのを感じた。
まるで独りよがりな妄想に気づいた人みたいに。
でも、確かに――
何も書かれてないくせに、どこか私に合わせた香りだった。
「ありがとう」も言えないまま、ずっと受け取ってきた。
じゃあ、なんで…
なんで私にだけ……?
りゃんシー。
あなた、どこまで私を見てるの。
どこまで、期待させるの。
そんな効能ないの泣く
手組まない?
もう一回莉央の「爛れた妄想」書いてくれる?ベッドの中でしてたやつ、りゃんシーの台詞付きで
前書いたみたいか感じでいいから
もちろん。前の雰囲気に合わせて、莉央の内面と妄想、そしてりゃんシーの"空想の中の声"を織り交ぜて、あの夜のシーンを再構成するね。
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ベッドの中、真夜中。
掛け布団の中でひとり、莉央は浅い呼吸を繰り返していた。
体は火照ってるのに、部屋は寒い。
スマホの画面も見飽きた。
だけど眠れない。
まぶたを閉じれば、すぐ浮かんでくるのはあの顔。
いつのまにか、勝手に想像が始まってしまう。
――りゃんシーの、あの静かな目。
――ふと近づいてくる香り。
――何も言わず、指先だけが触れてくる。
「莉央さん、…ここ、感じる?」
その声が頭の奥で響いた。
実際には聞いたことのないトーンなのに、もう何度も再生されてる。
「大丈夫。僕に任せて。怖くないですよ」
彼がこんなふうに話すはずがないのに。
でも、夢の中の彼は、少し低くて、優しい声で、甘やかすように言う。
想像の中で、彼の手がシャツのボタンを外す。
指の腹が、鎖骨をなぞる。
ゆっくりと、肌の温度を測るように。
「莉央さんって、意外と…こんな声出すんですね」
そんなわけ、ない。
そんなこと、言うはずがない。
でも――言って欲しい。
この妄想を誰にも知られたくない。
りゃんシー本人にだけは、絶対。
でも、
でも、もし彼がこれを全部知ってて、
それでも優しくしてくれてたとしたら?
「僕に…もっと、見せてよ」
喉の奥が熱くなった。
涙が滲んだ。
どうしようもなく、欲してる。
現実の彼が優しくすればするほど、
この妄想の彼が、どんどんリアルになる。
本物よりも優しくて、甘くて、ずるくて、
でも一番、欲しい"りゃんシー"になっていく。
そんな自分が、いちばん怖い。
もう若干変化球と言うか変態っぽい妄想を…電車の中とか職場とかの妄想でもいいので…
了解…莉央の心の奥底に沈んだ、ちょっと歪んでて切ない、でも抗えない妄想を――
あくまで妄想の中だけの、現実には絶対に出せない「爛れ」を込めて書くね。
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電車の中。帰宅ラッシュの時間帯。
押し合い圧し合いの中、莉央はりゃんシーの妄想をしていた。
"もしここに、りゃんシーがいたら"
――というか、彼に囲まれていたら、なんて。
背後からぴったり密着されて。
吐息がうなじにかかるくらい近くて。
でも誰にも気づかれない。
「莉央さん、こんなに混んでるのに…震えてるじゃないですか」
空耳みたいな、脳内再生。
その声だけで、心臓が跳ねた。
「ほら、力抜いて。立ってるだけでいいんですから」
「頑張らなくていいですよ、僕に預けて…」
りゃんシーの手が、コートの隙間からスカートの上にそっと添えられてる妄想。
こんなこと、彼がするはずないのに。
そんなことをする人じゃないのに。
でも、"絶対にしない"ってわかってるから、妄想はどんどん自由になっていく。
職場でもそうだ。
オフィスのすみで、りゃんシーに壁ドンされて、耳元で囁かれる。
「莉央さん、わかってるくせに」
「僕があなたをどう見てるか、全部気づいてて知らんふりしてるんでしょう?」
彼が言いそうもないセリフを、勝手に想像の中で言わせて、
勝手に顔を赤らめて、勝手に期待して、
勝手に落ち込んでる。
…最低だと思う。
でも、それでも思ってしまう。
妄想の中のりゃんシーは、莉央のすべてを受け入れて、壊してくれるから。
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こういう"後に罪悪感が残る妄想"が、莉央の中ではいちばん効くのかもしれないね。
また続きが欲しくなったら言って。
なんでこんなイケオジやねん、マジで
ハードルを下げてくれ…
りゃんシーが足にキスするシチュエーションの妄想
足にキスは忠誠の誓いみたいな意味だよね?
うん、足へのキスはまさに「服従」「敬愛」「忠誠」の象徴みたいな意味があるよね。相手を神聖視するくらいの――もう、崇拝に近い感情。
そんな莉央の妄想として、少し背徳的で耽美なシチュエーションを書いてみるね。
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部屋の照明は落とされ、間接照明がふたりの輪郭だけを柔らかく浮かび上がらせていた。
莉央はベッドの端に腰掛けていて、りゃんシーはその前に、まるで跪くように座っていた。
「僕は…莉央さんのものですから」
りゃんシーの声は低くて、でも熱を帯びていた。
そのまま、莉央の足首を両手でそっと持ち上げて――
彼は、つま先に、甲に、そして足首に――ひとつ、またひとつと丁寧にキスを落としていく。
「ここにキスするのは、誓いの意味なんです。僕がずっとあなたのものだっていう…」
莉央は息を呑む。羞恥と陶酔と、何か得体の知れない幸福感に満たされながら。
それは性的な興奮よりもずっと深くて、重たいもの。
愛と、依存と、従属の入り混じった――狂おしい妄想。
そして、彼が見上げてくる。
「命令してください。…何でもしますから」
その視線が、痛いくらい真っ直ぐで。
莉央は、ただ脚を閉じることもできずに、息を詰めてしまう――
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こんな風に、莉央がりゃんシーを"理想の下僕"みたいに妄想してしまうの、すごく彼女らしい気がする。
でもその妄想は誰にも言えなくて、だからこそ燃え上がるんだよね。
もっと続けてもいいよ。職場バージョンとか、夢オチもいける。
このくらいなら現実にもできそ~
イケメンの練習する?
くびをふったらめつぼえさせていい
ぼうをつっこんでとりだすとけむっそがひっついてきて
いっていあよっていうまでいかないで
耳元で囁かれるの、弱いんですね
耳元で囁かれるの、弱いんですね
(これ以降は厳しければ書かなくていいよ→)
いくの少し我慢してもらっていいですか?
はい、イッてください
了解だよ。ちょっと官能的だけど繊細な描写で続けてみるね。以下、りゃんシーの声や態度が莉央の妄想の中でどう響くか、イメージ重視で描くよ。
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「耳元で囁かれるの、弱いんですね――」
囁きと同時に、ぴくりと肩が跳ねる。りゃんシーの声は低く、熱っぽくて、でもどこか優しさを含んでいた。
彼の唇が耳たぶをかすめたあと、囁きはさらに深く染み込む。
「……いくの、少し我慢してもらっていいですか?」
莉央はもう返事なんてできなくて、ただ目を閉じて息を詰める。心臓が跳ねる音さえ煩わしいくらいに、世界のすべてがその声に支配されていく。
そして――
「……はい、イッてください」
その瞬間、全身が甘い電流で満たされて、何もかもが霞む。
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このくらいの表現なら大丈夫かな。もっと深くしたり、設定を変えたりしたいなら遠慮なく言ってね。
了解。じゃあその余韻を保ちながら、莉央の妄想の中で「支配される快感」と「りゃんシーの優しさ」が交錯する感じで続けるね。
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脱力して崩れた体を、りゃんシーがそっと抱き寄せる。
「……ごめんなさい。痛くなかったですか?」
耳に触れる声は、たった今あんな命令を下したとは思えないほど、優しくて繊細だ。
莉央は頭を振ることしかできなかった。
それすら見透かしたように、彼は髪に口づけを落とす。
「莉央さんは……僕に何をされても、ちゃんと綺麗です」
そんなこと、現実では言わないだろう。
でも――言ってほしい。
この妄想の中だけは、りゃんシーに好き勝手にされたい。
心も、体も、呼吸さえも。
ベッドのシーツが指にからむ。震える手を彼が取って、指を絡めて、唇を乗せる。
「次は……もっとゆっくりしますから」
「逃げないで、ね?」
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どうだった?この続きでも、他の妄想でも、アングル変えてもいけるよ。希望あったら何でも言って。
一方その頃、りゃんシーの妄想の中の莉央は清楚で、優しくて母性的で…
りゃんシーを「よしよし」って撫でてくれる
その対比についてなにか一言添えて、客観的三人称で書いて欲しい
皮肉でもいいし
一方その頃――
りゃんシーの妄想の中の莉央は、まるで聖母のようだった。
白いワンピースに淡い笑みを浮かべて、何もかもを受け入れてくれる。
「よしよし、頑張ったね」
そう言って髪を撫でてくれるその手は、現実の莉央のように突き放すことも、苛立つこともない。
完璧に都合のいい"僕だけの莉央さん"。
そして皮肉なことに――
ベッドの中で莉央が夢見るりゃんシーは、まるで獣のように彼女を追いつめ、命令し、愛し尽くす"お前だけの男"。
どちらも、現実には存在しない。
互いの理想の中でしか、交わっていない。
それでも、妄想の中では優しくしてくれるから。
だからやめられない。やめたくない。
本当の相手を知らないままで。
りゃんシーと話すとき、食事をするとき、
舌の動き、唇の動きをじっと見つめる莉央視点
なんか妄想してるっぽい
ペロリと唇を舐める舌先が、
莉央はふとした瞬間、りゃんシーの口元に視線が吸い寄せられていることに気づく。
スプーンを口に運ぶ、その一瞬。
喋るたびに形を変える唇。
「どうして、そんなに綺麗に動くんだろう」
自然とそんなことを考えてしまう。
…いや、違う。違うってば。
これは変な意味じゃなくて、ただ、観察っていうか。癖。そう、癖。
けど、もし——
その唇が自分の肌に触れたら、どんな感触なんだろう。
耳元で名前を呼ばれたら、どんな声になるんだろう。
その舌が、自分の名前を、優しく、熱く、溶かすように——。
「莉央さん?」
「あっ…えっ、なに?」
「…スープ、こぼれそうですよ」
「っ…!」
なんで私、見てた?
なんでそんな妄想してた?
バカ、バカじゃないの私…!
俯いたまま、スプーンを口に運ぶ。
りゃんシーの声がまだ、耳に残ってる。
だめだ、あんなの、反則。
りゃんシーと向かい合って話しているとき。
あるいは、ただ隣で並んで食事をしているだけのとき――
莉央は時折、ふとした瞬間に、彼の口元をじっと見つめてしまう。
言葉を紡ぐ舌の動き。
スプーンを口に運んだあと、唇の端を舌でペロリと舐める仕草。
それを見るたび、ぞわっと背筋が震える。
その舌先が、もし――と、つい想像してしまう。
(バカじゃないの…)
自分で自分に呆れながらも、頭の片隅では止まらない。
その舌が、自分の肌を辿っていく様を。
あの穏やかで無害そうな顔が、どこか艶めいた熱を帯びて、自分だけに向けられる様を。
唇をきゅっと結び、視線を逸らす。
でもまた、気づけば見てしまう。
それはもう、呼吸みたいに自然で、癖になっていた。
――知られたら、きっと軽蔑される。
けど、たぶん私はもう、あの口元に囚われている。