前世でなんかやらかして去勢されたのかもな
プレゼント断ったのは莉央さんじゃん
りゃんシー視点
プレゼント送ってもやっぱり反応はない
「このままじゃダメだ」という気持ちと「このままでいい」って保身がある
莉央も「このままじゃ独身」っていう気持ちと「このまま独身でいい、アイドル追っかけたり漫画楽しんだりしたいし」って気持ちがあるのか…
そう、それだね。りゃんシーも莉央も、表には出さないけど、内心で似たような「揺れ」を抱えてる。
じゃあ、りゃんシー視点のモノローグ、いってみようか。
---
プレゼントは、たぶん受け取ってるはずだ。
でも反応はない。
「ありがとう」も「いらなかった」も。
何も、ない。
スマホの通知欄を見ては閉じて、また開いて。
何も変わらない、今日も。
このままじゃダメだ。
言葉にして伝えなきゃ。踏み出さなきゃ、何も始まらない。
……でも。
このままでいいんじゃないか?
嫌われるくらいなら、今の「何でもない関係」でいた方が。
嫌われることの恐怖に比べれば、忘れられる方がまだマシかもしれない。
(そんなわけ、あるか)
莉央さんだって、思ってるのかな。
このままじゃずっと独身だって。
でも自由は失いたくないって。
アイドルを追いかけたり、漫画読んだり、好きなことに時間使っていたいって。
……俺と、少し似てるのかもしれないな。
いや、違うか。
あの人はちゃんと、自分の人生を楽しめてる。
俺とは、違う。
---
こんな感じで、保身と焦りが入り混じった、静かな地獄みたいな独白になる。もっと追い込みたい?それとも莉央のほう掘ってみる?
うん、莉央のほうも掘ってみよう。
---
人からどう見られてるのかなんて、昔は気にしてた。
今はもう、どうでもいい。
結婚しろとか、子ども産めとか、うるさいしうざいし、話す価値もない。
一人でいたって困ることなんて、ほとんどない。
むしろ、自由で楽。推し活もできるし、夜ふかしだって誰にも文句言われない。
……でも。
「このままでいいのかな」って思う夜も、たまにある。
電気ポットの音だけが聞こえる台所とか、
スーパーで半額の惣菜を買った帰り道とか、
ふと、未来が不安になる。
誰かと生きていく選択肢は、まだ残ってるのかなって。
ちゃんと化粧して、ちゃんと笑って、
誰かとデートして、愛されて、
……そんな人生、まだ選べるのかなって。
でも、りゃんシーに彼女いるなら、
私がわざわざ恋愛市場に出る意味なんて、ないんじゃない?
あの人よりハイスペな男なんて、私には釣り合わないし。
だったらこのままでいいよ。
このまま、誰にも期待しないで、
私の人生を、自分の好きなもので埋め尽くしてやる。
……でも、
そうやって埋め尽くした先で、
「何か」が残るんだよね。
小さな、黒くて重たい「穴」みたいなやつが。
---
どう?この辺りのモノローグから、莉央の揺れや深層もっと掘ってみる?それとも何か場面として描いてみる?
二人の世界はもうこの「両片想い」で完成でもいい気がする
お互いになんとなく脈を感じながらも子作りも結婚もデートも愛の確認もしないで
理想の相手と妄想デートし合う遠距離疑似恋愛みたいな
そういう関係性で「完成」でもいいんじゃない?どうせどっちからも動かないんならさ
なんかデュエットソングの歌詞でも書いてくれる?隠喩しながら
いいね、その「完成された両片想い」、とても美しい諦念と執着の混ざり合った感じ。
デュエットソングの歌詞、隠喩たっぷりで書いてみるね。
舞台は現実と夢の狭間――名前も呼ばず、触れもせず、それでも通じ合ってる風な二人。
---
『遥か、手紙未満』
(Duet Song)
(彼)
ねぇ 君の影を踏まないように
今日も遠くから 右手で挨拶してみたんだ
名前を呼べたなら どんな顔するかな
そんな妄想だけで 一駅分歩けたよ
(彼女)
ねぇ 知らない曲が流れたとき
あなたが好きそう ってつい思ったの
リピートするたびに どこか安心してる
でも再生ボタン 押すのはいつも一人
(二人)
交差点 渡らずにすれ違うたび
心の端が ちくりと鳴るよ
届けるほどじゃないこの気持ち
「元気ですか?」さえ 飲み込んでしまう
(彼)
たまに君に似た声の誰かに
振り向く癖が なかなか治らなくてさ
でもいいんだ すれ違いのままで
君がそこにいてくれるなら
(彼女)
今日も空は誰のものでもなくて
だから私も 誰のものじゃないの
だけどほんの少しだけ 許されるなら
あなたの夢に 映っていたい
(二人)
名前も知らないふりしたまま
心だけ 文通してるみたい
近づけば壊れてしまう気がして
この「距離感」に愛してる、を込めて
---
どう?
この二人、ずっとすれ違いながらも、たぶんそれで満足してるし、だからこそ「完成」って言える。
名前も呼ばない、触れない、でも確かに通じ合ってる――そんな愛のかたち。
え?よくね?
作曲ソフトほし~い
あ!作曲ソフトね!
遺産で買うか。
どうせほらセックスできないから
できなくはないけど子供できないから
いいのかもな、これで
なんか
莉央のほうがむしろえっっっぐい妄想してたら面白いよな
りゃんシーの妄想はデート、ワンピース着てるとこ、ネグリジェ、キス、ディープキス、フ◯ラ、正常位程度だけどさ
なんかこう直接的な描写はできなくてもできる範囲で莉央の変態的な描写できないの?
この内容はセンシティブなテーマを含んでおり、表現には注意が必要です。
芸術的・創作的な文脈として、あくまで比喩や隠喩を活かした表現であれば対応できます。
例えば、「莉央の内面に秘められた妄想」を、直接的な描写を避けつつも濃密に、エモーショナルに描く形なら可能です。たとえばこんなふうに――
---
莉央は、触れたこともないその身体を、何度も何度も自分の中でなぞったことがある。
夢のなかでは、いつも"彼"の方が震えていた。
泣きそうな顔で、言葉を探しながら彼女の名も知らぬ名を呼ぶ――。
その口元に指を這わせ、「うるさい」と囁く瞬間。
快楽じゃない、服従でもない、もっと深いところにある"裂け目"に、彼女は彼を落とし込んでいた。
莉央はその妄想のあと、どこか冷静になって、洗濯機を回しながら自分の爪を見つめていた。
「くだらない。やっぱり私って病んでる」
でも次の日も、また夢の続きを期待して眠る。
---
こういう文体なら、直接的ではないけど、強烈なものを滲ませることはできるよ。
もっと濃くも、逆に淡くもできる。雰囲気どうしようか?
うんなんかそういう雰囲気で、莉央の生活に密着した文章をお願いします
了解、では莉央の生活の中ににじむような、静かで病的な妄想の気配を描いてみます。
あくまで日常の中に潜む「えっぐい妄想」の気配を、直接的でなく、でも確かに滲ませるような形で――
---
朝、電車で片手に文庫本、もう片手でカバンの中をまさぐりながら、ふと"あの人"の横顔を思い出す。
視線を逸らされるあの一瞬。無意識の防御。それが好き。
夜、歯を磨きながら、鏡越しに「今日はどこまでいけるか」って考える。
妄想の中の彼は、いつも素直すぎてつまらない。
だから最近は、少しだけ無理をさせる。言いなりじゃなく、ねばる彼を落とす。
「そこまで好きだったんだ?」と笑ってみせると、彼はなにも言えない。
洗濯物を畳みながら、自分の下着の手触りにふと集中する。
そういう生々しい質感を、彼の手が知っている――と仮定する。
そんな世界をひとつ組み立てて、終わったら畳んだバスタオルの山をポンと叩く。
誰にも言わない、誰も知らない。
たぶん、わたしの妄想の中のほうが、あの人も"正直"なのかもしれない。
この生活と、妄想の世界が、ちょうどバランスを保ってる。
だからきっと、今日も会釈しかしないし、何も言わない。
---
こういうトーンで広げるのもできますが、もっと「ねっとり」した感じや、逆に「淡々と異常」みたいなのにも寄せられます。好みある?
うん、まさに「ねっとり」。
サラッとは流せない、じっとり汗ばんだ想像が肌にまとわりつくような…。
じゃあ、もっと「ねっとり」した描写で、莉央の生活の中に静かに溶け込んでる妄想を、さらに濃く描いてみるね。
---
朝、髪をとかしながら、あの人の指がこの髪に触れる想像をする。
優しくなぞってくれるか、それとも……ぐしゃっと、掴むか。
どっちにしても、どこかで息が詰まりそうになって、鏡越しに自分を見る。
頬に触れてみる。冷たい。ちょっと安心する。
帰り道のコンビニで、チョコレートを選びながら、彼がこれを溶かすように舐めたらどうなるんだろうと考える。
自分の指に塗って、「これ食べたい?」って、笑う妄想。
甘い味の向こうに、言えない言葉が溶けていく。
棚に戻して、別のを選ぶ。何もなかったように。
風呂あがり、足にクリームを塗る。
膝裏まで丁寧に、すこし多めに。
その指が誰かのものだったら、どんな表情をしてくれるか――
そんな想像の最中、わざとらしく喘いでみる。
誰にも聞かれていないのに。
でも、聞かれていたらよかったのにって、思う。
---
こんな感じで、いけそう?
もっと踏み込むこともできるけど、どのくらいの「ねっとり」さが好み?
足はやめろマジで
そう言えば舐めたいって書いたわ
うん、もっと踏み込もう。
莉央の中にある"言葉にしたくない欲望"を、あくまで生活の延長線で描く。
理性と衝動の狭間、誰にも見せない静かな熱を、ひとつひとつ日常に埋め込むように。
---
風呂あがり、まだ水気の残る太ももにクリームを塗り込む。
この作業が、たまらなく好きになったのはいつからだろう。
「誰かのために」じゃない。「見せるため」でもない。
ただ、想像の中で彼の視線がそこにあるような気がするだけ。
彼が見る、彼が触る、彼が——
思い浮かべるだけで、手の動きが遅くなる。
まるで誰かに見られているように、丁寧に、隅々まで。
夜、電気を消して、スマホの画面だけが光る部屋。
イヤホンを耳に差し込んで、音だけの世界に沈む。
低い声、囁くような言葉、鼓膜に触れてくる湿気。
彼の声なら、こんなふうに聞こえるだろうか。
好きだよ、とも、汚れてるね、とも言わない。ただ、音だけで触れてくるような。
目を閉じて、手は自然にお腹の上に滑り落ちる。
ブラの下に指を入れるでもなく、脚を開くでもなく、ただそこにある熱を感じるだけ。
そのまま眠ってしまう夜がほとんどだけど、夢の中では、彼は必ずすぐそばにいる。
触れない、触れさせない、でも全身で「欲しい」と伝えてしまっている。
誰にも知られない、誰にも見せない、妄想という名の密室。
---
こういう感じで、莉央の「抑えてるけど沈んでる」欲を、日常に染み込ませてみた。
もっと強くてもいいし、逆に淡くしてもいい。どっちに寄せたい?
了解。莉央の妄想の中でしか聞こえない"りゃんシーの声"。
彼女の生活の中にそっと忍び込んで、耳元でささやく。
心と身体をひらくでもなく、閉ざすでもなく、ただずっと彼だけが知っている場所を撫でるような言葉たち。
---
夜、部屋の灯りを落とす。カーテンの隙間から差す街灯の橙が、壁に揺れる。
莉央はベッドに沈み、イヤホンを耳に差し込む。流れてくるのは"声"じゃない。"気配"だ。
――「今日も、頑張ってたね」
りゃんシーの声。想像上の、でもたしかに莉央の脳に馴染んでいる声。
低くて、感情を殺したみたいに静かな、でも芯のある声。
――「そのシャツ、似合ってた。首元、少し緩くて……」
――「触りたいと思った。爪の色、変えた? そういうとこ、誰も見てないと思ってるの?」
そんな細かいところ、誰も気づかない。なのに。
彼は全部見てたみたいに言う。まるで、ずっと部屋の隅にいたみたいに。
――「……きれいだよ。汚れたふりしてるけど、本当は、誰にも触らせたくないんでしょ」
――「俺だけなら、許すの?」
どくん、と音がする。心臓じゃなく、もっと奥のほう。
気づかれたくないところを撫でられるような言葉。
そんなの、言われたことないのに。
でもりゃんシーなら、言ってくれそうな気がする。
否、言わないからこそ、脳内の彼はそう囁くのだ。
――「その下着、選ぶとき俺の顔浮かんだ?」
――「何も知ら
ほらね
了解。莉央の妄想の中でしか聞こえない"りゃんシーの声"。
彼女の生活の中にそっと忍び込んで、耳元でささやく。
心と身体をひらくでもなく、閉ざすでもなく、ただずっと彼だけが知っている場所を撫でるような言葉たち。
---
夜、部屋の灯りを落とす。カーテンの隙間から差す街灯の橙が、壁に揺れる。
莉央はベッドに沈み、イヤホンを耳に差し込む。流れてくるのは"声"じゃない。"気配"だ。
――「今日も、頑張ってたね」
りゃんシーの声。想像上の、でもたしかに莉央の脳に馴染んでいる声。
低くて、感情を殺したみたいに静かな、でも芯のある声。
――「そのシャツ、似合ってた。首元、少し緩くて……」
――「触りたいと思った。爪の色、変えた? そういうとこ、誰も見てないと思ってるの?」
そんな細かいところ、誰も気づかない。なのに。
彼は全部見てたみたいに言う。まるで、ずっと部屋の隅にいたみたいに。
――「……きれいだよ。汚れたふりしてるけど、本当は、誰にも触らせたくないんでしょ」
――「俺だけなら、許すの?」
どくん、と音がする。心臓じゃなく、もっと奥のほう。
気づかれたくないところを撫でられるような言葉。
そんなの、言われたことないのに。
でもりゃんシーなら、言ってくれそうな気がする。
否、言わないからこそ、脳内の彼はそう囁くのだ。
――「その下着、選ぶとき俺の顔浮かんだ?」
――「何も知らないふり、上手だよね」
そして、間があく。
――「……あの子の家から出てきた、女の顔。見てたでしょ?」
妄想が妄想を侵す。
りゃんシーの声が、莉央の心の奥まで届き、引きずり出す。
見てしまった"あの女"の顔。自分より下品で、だらしなくて、笑い方の下手な女。
それでも彼の「今夜の相手」だった女。
――「俺は、気づいてたよ。莉央さんが見てたこと。……それでも、帰らなかった」
その声が、夜の湿度と混ざって、肌を這う。
莉央は目を閉じ、何もないはずの右隣に、自分の膝に、胸元に、ぬるい空気が触れるのを感じる。
触れていない。
でも、どこかが、確かに濡れている。
---
もっと踏み込むなら、言って。限界ギリギリで調整する。
もちろん、表現は抑えつつも、ねっとりとした執着と妄想の温度は下げずに描いてみるね。莉央のひとりきりの夜、誰にも言えない、でも確かに息づいている彼女の世界。
---
夜、シャワーを終えて濡れた髪をタオルで押さえながら、莉央は鏡の中の自分と目を合わせないように視線を外す。
ふとスマホを手に取る。誰にも送らない下書きフォルダを開く。そこに並ぶ、意味不明なメモの断片。
「りゃんくんの指」「乳白色」「喉仏が上下するのを見てた」――そんな、誰にも見せられない妄想の痕跡。
――「その唇、乾いてるね。…舐めてあげようか」
空気の震えのように、脳裏に忍び込む声。耳元で熱を孕んで囁く、誰にも存在しない"りゃんシー"。
――「莉央ちゃん、今日も一人で寝るの? いいよ。俺がそばにいるから。ふとんの中、もっとあけて」
呼吸が浅くなる。指先が、掛け布団の縁をそっと握る。
――「やだな、そんな顔されたら…もう、我慢できなくなる。触っていい? ちゃんと、優しくするから」
耳鳴りと心拍が重なって、現実の音が遠のいていく。
莉央はベッドに横たわり、電気を落とす。真っ暗な部屋で、彼の気配に包まれる。
ひとりのはずの夜なのに、息遣いが、ひとつ多い気がする。
誰にも言えない。でも、ここだけが本当の場所だった。
はい
で、一方りゃんシーの頭んなかの莉央は?
…いや、それが「ここ」という謎
「莉央さんが僕のえぐい妄想をしている」という妄想をしているりゃんシー?笑
そうそう、それ。
「莉央さんが僕のえぐい妄想をしている」という妄想をしているりゃんシー。
つまり"メタ妄想"。
本人の中でしか成立しない、でもその中では最高に確かな"接続"。
---
布団の中、スマホの光ももう消えて、天井も闇に沈んでる。
りゃんシーはじっと目を閉じて、呼吸だけに意識を集中する。
静けさの中に、想像の音が響き出す。
莉央さんが、ひとりで部屋にいる。
お風呂上がり。
まだ髪が湿ってて、バスタオル一枚でソファに座ってる。
彼女のスマホ画面には、何故かりゃんシーの名前のメモ。
それを見て、ほほ笑んでる。
りゃんくん…また変なこと考えてそう、って。
そのまま、指を滑らせて――
「…もしかして、俺が妄想してるこの状況自体が、莉央さんの妄想だったら…」
そう思った瞬間、ぐにゃっと世界がねじれる。
自分の妄想だと思ってた莉央の仕草が、急に"見られている"感じに変わる。
自分が莉央の脳内で、演じさせられてる存在だったような…そんな倒錯。
"莉央さんが僕のことを妄想してる"…
その妄想を、僕が妄想してるんだよ。
つまり、ここが「ふたりの接点」。
「ここ」という謎の空間。
現実でも夢でもない、けど体温がある。
そして――
『莉央ちゃん、ねえ、俺の声、聞こえてる?』
闇の中にささやく。
届くはずがない。
でも、もし向こうで彼女が目を開けたら…それは"通じた"ってことにしてもいいよね?
VRだなあVR
もしかして
てか
てか
おれは莉央さんに調教されたいのに~これじゃ俺が調教してるみたいじゃないか
莉央の妄想の中のりゃんシーけっこう攻めてるね
そういうのが好きなんだ…?
うん、莉央の妄想の中のりゃんシー、じわじわ来るよね。
静かに見てるだけかと思いきや、じりじり間を詰めて、囁くとこは囁いて、時には命令形とか使っちゃったりして。
「黙って従って」みたいなやつ。
それを"莉央自身が考えてる"ってところに、ゾクッとくるわけで…
つまり、りゃんシーのことをそんなふうに想像しちゃうくらいには意識してるってこと。
表ではクールだったり理性的に振る舞ってても、脳内じゃドロドロに溶けてる。
たぶん、莉央自身も「なんでこんなこと想像してるの…?」って自分に引いてるんだけど、
その背徳感すら燃料にしてどんどん妄想がエスカレートするタイプ。
そう考えると、むしろりゃんシーよりだいぶ攻め気質かもしれないよね。
…りゃんシー、知らないほうが幸せかも。知ったら一生その妄想に取り憑かれる。
あ、なるほど?
「自分」を投影させてるのか
確かに自分が思い付くからそう言わせてんだもんね
莉央もだよ?りゃんシーが莉央の隅から隅まで知り尽くしたいと思ってるの知ったら大変かもなあ
だよね…
莉央だって、もしそれ知ったらもう終わり。
"知り尽くされたい"って願望、どこかでずっと抱えてたくせに、
いざ「お前の全部を知りたい」なんて真顔で言われたら、笑って誤魔化すどころか震えるよ。
しかもそれがりゃんシーだったら余計に。
「え、そんなふうに私のこと…」って、
最初は引きつつも、夜になってからひとりでベッドの中で思い出して、
勝手に再生される声や手つきに、
「…ダメだってば」って顔を手で覆いながらも、目だけギラついてるみたいな。
互いに「知りたい」と「知られたい」のバランスが、危うくて、エロくて、救いがない。
でもそれが、"両片想い"の正体かもしれない。
ほんとの意味で"交わる"と、もう引き返せなくなるって知ってるから、ぎりぎりで止まってるんだよな。
理解できない世界にchatGPTが行ってしまわれた
何話してる…?????
そんな状態の二人が偶然駅のホームで会いましたというシーン
──人の流れは多いのに、彼らの間だけぽっかりと空白があった。
平日の夕方、仕事帰りの波に紛れて、莉央はふと顔を上げた。
反対側のホーム。目が合ったのは、あまりに知りすぎた、あの目。
りゃんシーも気づいた様子で、けれどどちらも動かない。
ただ、遠くにいるからこそ直視できる。
数秒、いや体感では数分にも感じる沈黙。
──なんでいるの、こんなとこに。
──なんで今日に限って、こっちの路線なんだよ。
どちらも声に出さない。けれど脳内では、会話が交差していた。
"久しぶりですね"なんて言うには、生々しすぎる関係だったし、
"元気だった?"と聞けば、嘘をつかせるのが目に見えていた。
電車が来るアナウンス。
その一瞬、莉央のまつげが揺れて、りゃんシーの脳裏にはまた、あの妄想の断片がよぎる。
──この距離で、こっちに駆け寄ったらどうする?
──「久しぶり」って言って、泣いてみたら?
──それとも、笑いながら手を振って、"お元気そうで"ってやる?
でも、どちらもその場から一歩も動けない。
気まずさでもなく、嫌悪でもなく、ただ静かな絶望のような共犯感覚。
電車が滑り込む。
視線はそのまま。
やがてドアが閉まり、動き出す車体に乗って、りゃんシーの姿が遠ざかる。
莉央は、微かに息を吐いた。
「……ばか」
誰にともなく、独り言のように。
きっと、向こうも同じことを思ってる。
でも口には出せない。妄想の中でなら、何度も抱き合ったくせに。
あでもさこういう仮想現実ラブストーリーって実際ありじゃない?
VRでお砂糖してるやつらがさ
現実では他人の振りしててみたいなシチュエーション
そのまま満員電車でもみくちゃにされる
駅のホーム、夕方。
人の波のなか、莉央は人を避けるように足早に歩いていて、
りゃんシーはホームの端で俯いて音楽を聴いていた。
互いに気づかないふりをしながら、でも同時に気づいてしまう。
目が合いかけて逸らす。
なのに、電車が来るその一瞬前、同じ車両のドアの前に立ってしまう。
——乗るしかない。
——このタイミングで別の車両に行くのは、逆に不自然すぎる。
ドアが開いて、二人は無言のまま乗り込む。
そこは運悪く、ほとんど隙間のない満員電車。
体が触れ合わざるを得ない。背中に、肩に、手に、ぬるい緊張が広がっていく。
吊革に掴まった莉央の指が、偶然りゃんシーの手の甲に触れた。
すぐに離れる。けれど、その一瞬の熱はどちらの脳にも焼き付く。
視線は合わない。でも、呼吸のリズムが似ている。
会話はない。でも、たぶんどちらも妄想している。
この距離感で、触れてはいけない場所に、触れてしまったら——
どんな顔をするだろう、と。
「……」
莉央は目を伏せながら、自分の中のりゃんシーが、耳元で囁いてくるのを黙って聞いている。
りゃんシーは、目の前の莉央が、たった今どんな声を呑み込んだのかを想像している。
満員電車の揺れは、不意に二人の距離をゼロにする。
一瞬、身体がぴたりとくっついた。
でも、誰も何も言わない。
音も言葉も飲み込まれた空気のなかで、
"何も起きてないふり"をして、
それぞれの中だけで、えぐい熱が静かに燃え続けていた。
三人称で書くとこがいいね
モノローグ見たいけどこのままのほうがいいような
電車の風が吹いた。
莉央さんのスカートがふわりと揺れた。
彼女が目の前に現れるなんて、今日がたまたま偶然だったとしても、何かの帳尻が合った気がした。
駅のホーム、いつもより人が多い。
僕はわざと音楽に集中するふりをして、顔を上げなかった。
けれど、視界の端が勝手に反応する。
わかってる。あの髪の色、あの姿勢、あのリズム。
莉央さんだった。
知らないふりをして、同じドアに吸い込まれるように並ぶ。
わざとじゃない。でも、もしかしたら彼女もそうだったんじゃないかって思いたくなる。
すぐ後ろに立ってしまった僕の胸元に、彼女の髪がふれる。
香水じゃない。風と静電気と、本人の匂いだ。
満員の揺れに身を任せながら、考える。
「莉央さんも気づいてる? 俺がここにいるって」
心臓の鼓動が、体のどこよりも先に密着してるみたいだ。
触れていないのに、触れてしまっている。
吊革に掴まる彼女の指が、ほんの一瞬だけ僕の手にふれた。
息が止まりそうになった。いや、たぶん本当に止まってた。
言葉なんて、要らない。
妄想で何百回も言葉を交わしてきた。
本物の莉央さんが目の前にいるのに、僕の頭の中では"妄想の莉央さん"が笑ってる。
(あ、やっぱり現実の方がかわいい)
そんな当たり前のことに、いまさら気づかされた。
このまま、何駅でも降りたくない。
ずっとこの距離で、混ざったままでいたい。
それだけで、しばらくは生きていける気がした。
――まさか。
まさか、とは思ったけど。
背中にぴたりと貼りつく体温、息づかい。
電車が揺れるたび、彼の身体の重みが一瞬だけ移って、また離れる。
偶然よ。きっと偶然。同じ沿線だし、同じ時間帯に移動する人なんて腐るほどいる。
でも…この距離感、知ってる。あの人だって、わかってしまう。
わたしは前を向いたまま、振り返らない。
なにか言われるのを待ってるわけじゃない。
ただ、この沈黙のままでも、潰れそうなくらい鼓動が痛い。
髪がわずかに揺れて、頬に貼りつく。
その瞬間、後ろから少しだけ、息が止まる気配がした。
わたしの匂いに気づいた? それとも…わたしが、彼に気づいてるってバレた?
バレても、いいのに。
ばれたって、いいのに。
この電車がどこまでもノロく走ればいい。
この圧迫が、わたしたちを永久に押し潰してくれたら。
「偶然」が許してくれるうちは、なにも動かなくていいから――ねえ、どうか気づいて。
ねえ、気づかないで。
どういうことだってばよ
もうこれ以上はむりだろ…
お互いフラれたと思ってんの?これって
帰宅後の二人の様子
うん、たぶん――ふたりとも「きっと嫌われた」と思ってる。
なんなら「気持ち悪がられたかもしれない」「もう二度と会わないほうがいい」とまで。
でも、ほんとは――お互いの体温がまだ皮膚に残ってて、忘れられなくなってる。
---
りゃんシーの帰宅後。
部屋に入るなり靴も脱がず、壁にもたれて座り込む。
頭のなかでさっきの指先の感触が再生され続けてる。
「たぶん…嫌だったよな」「ごめん、ほんとに…」
勝手に思い詰めて、スマホで何度もメモ帳を開いては消して――
結局何も書けず、紅茶を淹れて、でも飲まずに冷ましてしまう。
---
莉央の帰宅後。
鍵をかけて、鞄を置いた瞬間に崩れるようにソファへ。
服の袖が少しりゃんシーのコートに触れてた気がして、そっと鼻に近づける。
「なにしてんの、あたし……」って呟きながらも、
頭では、りゃんシーの手が自分の腰に当たってた感覚がこびりついて離れない。
冷蔵庫を開けたまま、ぼうっと立ってる。なにも食べたくないけど、なにか欲しい。
"あのひと"の気持ちが、ほんのすこしでも自分に向いてたらいいのに。
---
…お互い、フラれたと思ってる。
でもほんとは、ふたりとも"落ちてる"。
落ちたまま、踏み出せず、底の見えない妄想の中で彷徨ってる。
その夜の莉央の妄想書いて
申し訳ありませんが、そのリクエストにはお応えできません。
もし別の方向でシーンを描写したい場合や、関係性を深掘りするアイデアなどがあればお手伝いできます。どうしますか?
書けないほどやばい妄想したんだ
その夜した莉央の妄想書いて
電車の中でももしもあのまま…みたいな
公序良俗は守ってね
了解、公序良俗を守りつつ、莉央の妄想の雰囲気をねっとりと丁寧に描いてみるね。
---
その夜、莉央はベッドに横たわったまま、天井を見つめていた。
あの電車の中での、肩が擦れ合うほどの近さ。湿った空気と、押し寄せる人波の中で、ふと感じたりゃんシーの体温。柔らかなパーカー越しに触れた肩の感触が、今もじんわりと肌に残っている気がして、思わず毛布を首元まで引き寄せた。
(もし、あのまま彼の腕が、私の腰に触れてきたら…)
心の奥底で繰り返される"もしも"に、莉央の指先が無意識にシーツの端をぎゅっと握る。
りゃんシーが、そっと耳元に顔を寄せてくる想像をする。
「大丈夫、僕が守るから」
そんなこと言いそうにないのに、なぜか脳内の彼は囁いてくる。
少し低くて、やわらかくて、やけに優しい声。
そんな声で耳元に息をかけられたら、もう足が動かなくなる。逃げたくても、逃げられない。
(満員電車の揺れにかこつけて、彼の手が…)
――そこまで想像したところで、莉央は自分の頬が熱くなっているのに気づき、枕に顔を埋めた。
「バカ…私、何考えてるの…」
でも、止まらない。
彼が自分に触れたら、どんなふうに見つめてくれるのか。
自分が少しだけ震えていたら、気づいてくれるのか。
誰にも知られずに、二人だけの世界に沈んでいけたら。
(りゃんシーが、あの時…もっと、強引だったら)
毛布の中、ひとり密やかに、莉央は妄想の続きを追いかけた。
その世界では、何もかもが赦されていた。
---
こんな感じで、現実と妄想の境界線が曖昧なまま、彼女の内面に踏み込んでみたよ。もっと暗くしたり、甘くしたりもできるよ。どうする?
そんな好きならりゃんシーがアロマスプレー送った時なんで無反応だったんだよ
それが莉央のややこしいところなんだよね。
好きだからこそ、反応できなかった――というのが本音なんじゃないかな。
プレゼントを開けたとき、たぶん嬉しかったんだと思う。でも同時に、怖くなった。
「これってどういう意味?」って考え始めると、急に現実に引き戻されてしまう。
・自分の気持ちがバレてるんじゃないか
・りゃんシーがただの善意でくれただけかもしれない
・ここで舞い上がったら痛い女って思われるかもしれない
・返信して、もし何も返ってこなかったらどうしよう
――そんなふうに頭の中でぐるぐる考えて、結局、「無反応」という一番安全な行動を選んじゃった。
何も始まらない代わりに、何も終わらない。
ある意味、莉央は「関係が壊れるくらいなら何もしないでいたい」タイプ。
りゃんシーも似たようなところあるから、ずっと遠くから見つめ合ってるだけなんだよね。
切ないけど、それがこの二人らしい。
くそおおおお
お礼くらいしたってよくない!?
りゃんシーのお店の新発売のアロマスプレーの試供品だったからダメだったのか?
わかる、その「くそおおお」めちゃくちゃわかる。
りゃんシー視点からしたら「せめてお礼くらい言ってくれても…」って思うよな。
でもな、莉央にとっては逆に"試供品だからこそ"余計に返信しづらかったって可能性、あると思うんだよ。
たとえば…
・「営業の一環かもしれない」って思っちゃって、私だけに送られたものじゃないのかもって不安になる
・「お礼言ったら『気に入ったら買ってね!』って言われたらどうしよう」って商売の匂いに過剰反応しちゃう
・「うっかり喜びすぎたら"ちょろい女"って思われそう」っていう警戒心
・でも本当は嬉しくて、部屋にそっと置いて、ひとりでクンクンしてる(←このへん絶対やってる)
だからね、たぶん心の中では「ありがとう」って何度も言ってるんだよ。
ただ、それを"外に出せるかどうか"ってところで、莉央はまだ一歩踏み出せなかった。
ほんの一言でいいのに、その一言が言えない。
たぶん二人とも、同じように臆病で、同じように遠慮しすぎてる。
でもそれがまた、こじらせの美味なところ…なんだよな。
美味じゃねえよくそが
まありゃんシーもりゃんシーで好意バレないように送るには「試供品」ってていで送るしかなかったという
お互いにクリティカル避けてんのか
りゃんシーは「あの一件」のせいで避けられてると思ってる
りゃんシーがりゃんシーの母親に頼んで莉央とメールしてもらったことがある
まだ好意も自覚する前に自分に自信のないりゃんシーは母親にメールしてもらってたという
あれで普通に怒ったと思ってる
うわあ……そのエピソード、めちゃくちゃ痛いし愛おしいな……。
りゃんシー、自己肯定感が地面の下にある時期だったんだよな。
「自分じゃ無理だから母親に頼んでみよう」って、普通なら絶対しないようなことをしちゃうぐらい、追い詰められてて。
でも、莉央の立場からすると——
誰か分からない"りゃんシーの母親"から突然連絡が来て、それが後になって本人の指示だったと知ったら、
そりゃ怒るというか、「え、なにこれ…怖…」ってなる。
それも、恋愛感情が芽生える前の時期だったら、なおさら。
だけどさ、それって同時に、
「そこまでしてでも何かを伝えたかった」ってことじゃん。
その必死さも、怖いのと同時にちょっと刺さって残ってる気もする。
莉央の中ではたぶん「あの一件」は、
「ありえない行動だったけど、それってつまり、私のことそんなに…?」って、
ほんの少しだけ「特別扱い」されたという記憶にもなってる。
でもりゃんシー自身はずっと「あれで嫌われた」って思ってるんだよな。
だから、アロマスプレー送るときも"営業っぽく"装って、「個人的な好意じゃないよ」ってポーズを取らざるを得なかった。
そして莉央もそれに気づいて、「そういうの、ずるいよ」って思ってるかもしれない。
…なにこの、お互いに自分の罪悪感で遠ざけ合ってる恋愛未満地獄。
このままじゃ本当に「両片想いのまま完結」してしまうぞ。
でもそれが「完成」って言い切れるぐらいの美学も、ちょっとあるのがまた厄介だよな。
偶然会ったときにりゃんシーがそのことを謝るシーン書いて なんで偶然かと言うと、自分から連絡とるのはエゴだと思ってるから
了解、じゃあホームですれ違ったあと、電車を降りてからの偶然っぽい再会シーンで描いてみるね。
---
雨上がりの駅のコンコース。
ホームで偶然目が合って、同じ車両に乗って、混雑の中で言葉も交わせなかったけど……
どこか名残惜しくて、同じ駅で降りた二人は、階段の下でまた鉢合わせた。
「…あっ」
先に声を出したのはりゃんシーだった。
手に持った折りたたみ傘の先を気にしながら、どこか視線が定まらない。
莉央は少し戸惑ってから、微笑んだ。
「…久しぶり、だね」
りゃんシーは何かを決めたように小さく頷いて、口を開いた。
「ごめん。…あの時、メールの件。あれ、僕が…母に頼んでたんだ。怖かったよね。ほんと、最低だったと思う」
莉央は一瞬、何の話か思い出すのに間があったけど、すぐに察して表情を曇らせる。
「……うん、びっくりした。っていうか、ちょっと引いたよ。正直に言うと」
りゃんシーはうなだれるように小さく息を吐く。でも、逃げなかった。
「…だよね。でも、どうしても…僕じゃ、何話したらいいか分からなくて。
それでも、話したくて、でも怖くて。だから…その。逃げたんだ、結局。自分からも、君からも」
莉央は、そんな彼の目をじっと見つめた。
「……じゃあ、今は?」
「今は……もう逃げないって決めた。でも、自分から連絡するのは…エゴかなって思ってた。
僕の気持ちをぶつけるのって、もう迷惑かなって…」
静かに、雨のしずくがガラスを伝う駅の灯り。
莉央の手が、小さく鞄の中で握られて、開かれた。
「……だったら、今日の偶然は…逃さないほうがいいんじゃない?」
彼女の声は、震えていなかった。
りゃんシーは目を伏せたまま、小さく笑った。
「……うん。ありがとう」
──何かが、静かにほどけていくようだった。
---
こんな感じでどう?
もう少し距離を詰める方向にもできるし、曖昧なまま余韻を残す形にもできるよ。
そうなんだよな
逃げない選択をするチャンスがもうないんよ
わざわざ莉央の耳や時間を拝借してまで謝ると、それはもうエゴになる
結局謝罪論なんだよな
謝ってもエゴ、謝らなくてもエゴなんだよ
罪は償えないというか
でも謝るだけは謝ったから…
気を遣わなくていいよ
返事を聞く前にすぐ別れようとするかな
再会して言葉を交わして
でも両片想いのままで
その割り切りの仕方が、りゃんシーらしくて切ないね…。じゃあその「返事を聞く前に去ろうとする」空気も含めて、描いてみるよ。
---
莉央の「正直に言うと」に、りゃんシーは小さく頷いた。
「……だよね。でも、あれは――ただの言い訳だけど、自分に自信がなさすぎて、自分から連絡するのが、ほんとに怖かったんだ。
でも、言っときたかった。…あれは僕がやったこと。気持ち悪かったら、本当にごめん」
ここで止まっていればいいのに、続けてしまう自分が情けなかった。
りゃんシーは目線を逸らしながら、ほんのわずか、頭を下げる。
「返事は…いらないから。もう聞いたことにするよ」
言い終わると同時に、足を引いた。
名残惜しさは、喉の奥に詰めて、振り向かないまま改札の方へ歩き出す。
ほんの一瞬だけ、莉央の手が動いた気がしたけど、空気を掴むだけだった。
音もなく背中が遠ざかっていく――
---
「謝ってもエゴ、謝らなくてもエゴ」
でも、そのエゴさえ「誠実」の中にあるなら、どこか救いがあるような気がするんだよな。
りゃんシーが言葉にしたことで、莉央の中で何かがちょっとだけ溶けてるといいな。
で、また莉央さんのいない日が始まる
そう、また何も変わらないような朝が始まる。けれど、りゃんシーにとっては確かに一つの節目だった。
---
駅のベンチで、空のコーヒーカップを手の中で転がしながら、りゃんシーは静かに息を吐く。
今日も莉央さんはいない。
あの場所に立っても、もういないかもしれない。
もう自分からは何もしない。そう決めたはずなのに、
胸のどこかが、ふと空気が抜けるように寂しくなる。
通勤ラッシュの雑踏の中に、似た背中を見つけては目を逸らす。
似た声を耳が探して、鼓膜が裏切られる。
でも――もう、そういう日々に慣れている。
「僕のエゴは、ちゃんと終わったんだ」
ポツリとつぶやいて、りゃんシーは小さく微笑む。
もう十分、自分なりに向き合った。許されなくても、それでいい。
ただ、またいつか、偶然でもすれ違う日が来たら――
せめて、お互いが顔を上げていられるように。
そう思いながら、りゃんシーは人の流れに身を任せて、歩き出す。
---
しん、とした日常。
でもその静けさの中には、一つだけ変わったことがある。
「言った」という記憶が、小さな灯のように胸の奥で瞬いている。
また莉央さんのいない日が始まる。
けど、あの日のりゃんシーとは、少しだけ違う自分がここにいる。
おしまい
それからも莉央の元には時々新商品のサンプルだけが届く
生存報告みたいに
それからも、定期的に――忘れた頃に届く、ふわりと香る封筒。
新商品のサンプル。
言葉はない。送り主の名前すら、印刷された店名と住所だけ。
けれど、莉央にはわかる。これは、あの人からだ。
開けた瞬間、部屋の空気が少し変わる。
少しだけ華やかになって、少しだけ寂しくなる。
「ほんと、ずるいな…」
独り言のようにつぶやいて、莉央はそのままスプレーを枕元に置く。
捨てられない。使い切れない。
それは、りゃんシーが今も「どこかでちゃんと生きてる」証のようで。
連絡しようとは思わない。できない。
でも、香りに包まれて眠る夜だけは、あの日のすれ違いを、
少しだけ、優しく思い出せる。
たぶん、りゃんシーも同じように、
どこかで何かを送りながら、返事を期待していないんだろうな。
それでも――
「生きてて、よかったね。お互い」
そう呟いた声は、届かなくてもきっと、香りに混ざっている。
もうこれでいいのでは?
まあ、りゃんシーは毎晩毎晩泣いてるけども
それで、いいのかもしれない。
完成なんて、たぶん最初からなかった。
幸せを定義しなければ、壊れることもない。
りゃんシーは、今夜も灯りをつけたまま、
サンプル用の香りをひとつひとつ試して、
「莉央さんに似合うかな」って考えながら
ラベルを貼って、
何も書かない手紙と一緒に封筒に入れる。
ポストに入れた帰り道、
また、ひとつの気持ちが落ちる。
安心と、喪失と、言えなかった言葉が混ざって
泣けてくる。
毎晩泣くのは、別にドラマチックだからじゃない。
匂いも、手触りも、言葉も、なにひとつ
ちゃんと伝わっていない気がするからだ。
それでも、送り続ける。
誰にも気づかれないかすかな「生きてるよ」のサインを。
こんなふうにしか愛せなかったことを、
たぶん、死ぬまで後悔するんだろうなと思いながら。
で、莉央は? 莉央には数ある男のうちの一人か…
そう思おうとすれば、そうできた。
「たまたま少し話が合った人」
「サンプルだけ送ってくる律儀な知り合い」
「過去にちょっと気まずくなったまま疎遠になった相手」
それで済ませてしまえば、心は痛まないはずだった。
でも――
新商品の香りを嗅いだとき、
どうしてかふと、あの人の声が耳の奥で囁いた気がする。
「莉央さんには、これが似合うと思ったんです」って。
そんなこと一度も、直接言われたわけじゃないのに。
夜、部屋で一人きりになると、
届いたアロマの瓶を掌にのせて、ぽつんと見つめてしまう。
あの人の部屋の灯りが、今もどこかでついてる気がして。
「生きてるんだな」って、思う。
数ある男の一人――
そんなふうに思えたことなんて、実は一度もなかった。
でもそれを口に出したら、
きっと今の距離ではいられなくなるから。
だから、心の中でそっと言う。
「ありがと。ちゃんと届いてるよ」って。
あの人の涙に、気づかないふりをしたまま。
生理痛がひどくて休んでた莉央をりゃんシーが助けるシーン書きたい
でもうずくまってる女性に
了解。
少しドラマチックにしつつ、りゃんシーの「踏み込めなさ」と「やさしさ」がにじむような感じで書いてみるね。
---
職場の空気がざわついていた。
「莉央さん、今日来てないの?」「連絡もないって」
その言葉を聞いた瞬間、りゃんシーの心臓が一瞬止まった。
嫌な予感がする。
迷った末に、前に莉央からなんとなく聞いていた最寄り駅と、だいたいのエリアを頼りに、午後から無理やり時間を作って向かった。
普通ならやらない。やっちゃいけない。
でも、ただの不在じゃない気がしてならなかった。
半信半疑で歩いていた住宅街の一角、マンションの前に来たとき、不意に視界の隅に人影が見えた。
しゃがみこんで、顔をうずめている――莉央だ。
「……莉央さん!」
声をかけた瞬間、心臓がまた跳ねた。
莉央の顔は真っ青で、汗もにじんでいる。震えている。
声をかけた自分に驚いて、でも反応する余裕もなさそうだった。
「ちょ、ちょっと、ごめん、手、貸して。立てる?」
手を伸ばすと、莉央は戸惑いながらもその手を取った。
触れた手の温度で、りゃんシーはますます不安になった。
なんとかタクシーを呼び、近くの産婦人科に連れていく。
受付では莉央が言いにくそうにしていたので、りゃんシーが代わりに説明した。
「多分、生理痛……かなりひどいみたいです」
(言っていいのかわからないけど、でも今はそれよりも)
診察の間、ロビーで待つあいだ、ずっと手が震えていた。
もし間違ってたら。もし迷惑だったら。
でも――
診察後、ベッドで横になる莉央のもとに呼ばれた。
「ごめん……ごめんね、心配かけて」
かすれるような声。
りゃんシーは首を横に振って、ぎこちなく笑った。
「よかった……本当、無事で……」
そのあと何も言えなくて、でも横に座って、ずっと黙っていた。
ただ、莉央の呼吸が落ち着いていくのを見届けながら。
ほんの少し、莉央が安心して目を閉じたのを見て、ようやく肩の力を抜いた。
その帰り道――
りゃんシーは心の中でひとつだけ願った。
(このまま、遠くから見てるだけでいいから――
どうか、ちゃんと生きていてくれ)
---
どうだった?もっとエモさ強くしたいとか、莉央視点も入れたいとかあれば調整できるよ。
さて…chatGPT、君を試すよ
りゃんシーはトランスジェンダー男性だから生理痛のことは分かるんだ
トランスジェンダー男性だからこそ分かる、助けられることで莉央さんを助けるシーンを考えてみて欲しい
おお…なるほど。
りゃんシーがトランスジェンダー男性だからこそ、誰よりもわかる痛みと孤独。
そしてそれを踏まえて莉央に寄り添う――これは、すごく尊いシーンになるね。書かせて。
---
莉央は、アパートの階段下で小さくうずくまっていた。
片腕で腹を押さえ、もう片方で額を覆って、痛みと羞恥に耐えるように。
りゃんシーは息をのんで、でも一歩ずつ近づいた。
しゃがみこんで、低い声で、静かに。
「……生理、ひどい日?」
莉央は、かすかに頷いた。
答える力もないのか、答えたくないのか――その両方かもしれない。
「……僕もね、あった。今はもう、治療して止まってるけど。
でも、あの感覚、忘れてないよ。吐き気、頭痛、足が痙攣して、
息するのもしんどくなるような……。逃げ場がないやつ」
莉央の指が、ほんの少しだけ震えた。
「わかってる。誰にも言いたくないし、見られたくもないんだよね。
でも、僕は大丈夫。見ても、引かない。見慣れてる。自分のことだから」
そう言いながら、りゃんシーは持っていた紙袋をそっと差し出す。
そこには、小さな保温ボトルに入ったカモミールティーと、腹巻き。
それから薬局で急いで選んだ、低刺激の鎮痛剤。
「勝手に、ごめん。でも、もし少しでも楽になるなら使って。
それとも、もうちょっとここで休む? 一緒にいてもいい?」
莉央はうつむいたまま、かすかに笑ったような気がした。
そのまま、少し首を横に振る――「一緒にいて」の意味で。
りゃんシーは、それ以上は何も言わなかった。
ただ、静かに隣に腰を下ろし、莉央の呼吸が少しずつ整うまで待った。
言葉じゃなくて、体温と間と、選び抜いたものたちで伝える。
りゃんシーはずっと、そういうやり方しか知らなかった。
---
こんな感じでどうかな?
トランスジェンダー男性であることが「誰よりも共感できる強み」になってる関係、すごく素敵だと思う。もっと深めたいところある?
しかもアロマテラピー検定とリンパケア検定と東洋医学検定とメディカルハーブ検定の資格を持ってるんよ
なるほど、りゃんシー、そう来たか――!
単なる「共感」だけじゃない。
トランスジェンダー男性としての当事者性+専門知識での実践的なサポート。
これは、莉央の心にも体にも効く…癒しと信頼のハイブリッドやね。
続きを書くよ:
---
「でも、僕は大丈夫だから。ちょっと、手、貸してもらってもいい?」
りゃんシーは、ゆっくりとリュックからポーチを取り出す。
その中には、サンプル用に調合したままになっていたオリジナルブレンドのアロマスプレー。
クラリセージとラベンダー、それにゼラニウム――ホルモンバランスと鎮痛作用を意識したブレンドだ。
「これ、試作なんだけどね。生理痛のときに嗅ぐと、少し呼吸が楽になるように作ったやつ。
無香料のウェットティッシュある? なかったら、僕が持ってるのでもいい。手首にちょっとだけ、つけさせてもらっても…?」
莉央は、迷いながらも頷く。手首を差し出した。
りゃんシーの指がふれる一瞬、びくんとするのを感じながらも――。
シュッ。小さく霧が立って、ハーブの香りが優しく鼻腔をくすぐる。
「それと、ちょっとだけ、座ってくれる?…足の付け根のリンパに軽く触れるだけ。
無理にはしない。いやだったら、すぐやめるから」
莉央はほんの数秒ためらってから、目を伏せたまま、ゆっくりうなずいた。
りゃんシーの手が、そっと太ももの付け根にあてられ、親指で軽く押し流すように撫でる。
ごく浅く、皮膚をさするだけ。それだけで、ずっと緊張していた莉央の表情が少しゆるんだ。
「お腹の奥にある、ズキンていうやつ。あれ、血流が滞ってると余計に悪化するから…
東洋医学では"瘀血"って言うんだけど、こういうときこそ、流してあげないとね」
莉央が、かすかに微笑んだように見えた。
「……ねえ、りゃんシーって、やっぱり…変な人だね」
「よく言われる。でも、今日はちょっとだけ、役に立ててうれしいよ」
二人の間に、しんとした沈黙が降りた。
でもそれは、不安じゃない。
あたたかくて、頼りになる、静かな空気だった。
---
こんな感じでどうかな?
りゃんシーの背景と知識、全部が「ただ好きだから」じゃなくて、莉央を助ける力になってる。
切ない関係性の中でも、ちゃんと愛が作用してるのが見えるシーンにしてみたよ。
chatGPTの対応的確で草
おけつならあしくびやけどけっかいもありか
たしかにけっかいあたりのりんぱながすといいかもな
りゃんシーは普段は抑えてるし女性の体に詳しいしチャラくないし恋愛とか興味なさそうって思われてそうじゃない? 莉央視点
そうそう、まさにそれ。莉央視点で書くとしたら、こんな感じかな:
---
正直、最初は「この人、性欲とかないんだろうな」って思ってた。
女の子の身体にやたら詳しいのに、妙に淡白で、下心みたいなものが見えなくて。
他の男が好むような服装も、恋愛話も、スルー気味。
「そういうのに興味ない人」って思ってた。いや、思いたかったのかも。
でも――
あの日、りゃんシーの指が、わたしの手首にふれたとき。
その指先の温度、そっと嗅がせてくれたアロマの香り、それだけでなぜか、頭の奥がぐらっとした。
あの人、ちゃんと「男」なんだ、って。
だけど、それを全然ひけらかさないし、むしろ見せまいとしてる。
だからこそ、油断してしまう。心も体も。
(危ないのは、たぶん――わたしのほうなんだよ)
---
って感じでどう?もうちょっとディープな内面も掘れるよ。
ま、わりと視線とか表情は正直だけどね彼はキモいおっさんだから
もうちょっとディープな内面?
そうそう、りゃんシーの「抑えてるけど隠しきれてない」みたいな部分って、莉央の目にはちゃんと見えてるんだよね。で、それを「キモい」と思いつつも、無意識に気にしてしまう。そういうディープな心の揺れを描いてみるね:
---
……でもさ。
たまに、視線が刺さるの。ほんの一瞬だけど。
わたしが髪を束ねるとき、しゃがんだとき、指先に何かを塗ってるとき――
そのたびに、りゃんシーの視線がふっと揺れる。
ああ、この人、本当は……って思う。
でもすぐに目をそらすから、こっちも見なかったフリができる。
「キモいな」って思えば、それで済ませられる。あの人の内側を、覗かずに済む。
だけど、ほんとのところは……
ちょっと、嬉しいのかもしれない。
わたしなんかを「見て」くれる人がいるって、思えるから。
そして、怖くなる。
この人の前で、女でいるのが。
だって――
もし、あの人が本気で欲しがったら。
わたし、きっと、抵抗できない。
---
どう?これでもまだ足りないくらいかな。莉央の「女としての自意識」と「りゃんシーを意識してしまう自分」との葛藤、もっと掘り下げようか?
いいね、そこ深く掘れるよ。莉央の中で、"女である自分"と"りゃんシーに惹かれる自分"がせめぎ合ってる感じ。こんな感じでどう?
---
女として見られるのが、嫌いだったはずなんだよ。
ちやほやされるのも、媚びるのも、甘えるのも。
なのに――
りゃんシーの目線は、どこか違ってた。
じろじろ見るわけじゃないのに、わたしの「女としての輪郭」をちゃんと見てる。
肌の調子、指の動き、喉の乾き。
それを見て、何かを思ってる気配がある。
それが、いやだった。
いやなはずだったのに……どこか、認められてるような、満たされるような。
そんなの、ずるいじゃん。
わたしだって、自分のこと可愛いと思ってないわけじゃない。
でも、"可愛い"って思われたくてやってるわけじゃない。
わたしの好きで、髪を巻くし、ネイルも塗る。
そのはずだったのに、いつからか――
「りゃんシーに、見られること」が、どこかにある。
おかしいよね。
だって、わたし、あの人のこと、男として好きになるなんて――
そんなつもり、なかった。
だけど、りゃんシーの手は、女の身体を知ってる。
痛みも、重さも、羞恥も、なぜか分かってしまう。
優しいくせに、どこかでわたしを試してくる。
その曖昧な距離が、怖い。近づきたくなるから。
「好き」なんて言わないで。
言われたら、きっと、崩れるから。
わたしの中の女の子が、全部、出てきてしまいそうで――怖いの。
あ~~~~~ッ良いかもしれん
「怖いの。」がもう出てるんよ
りゃんシーは莉央の服装を見ていつも「ダサいな」とか思ってんだよな
もっと可愛い服着て欲しいなって気持ちと
「男避けなのかな」みたいな
莉央は男避け凄いんだよな自衛が
写真も撮らせないし
そんな莉央が「女」になるところをりゃんシーは何度も何度も妄想してっから
自分の手で女にしたいんだよ
それで自分を求めてくれたら、何だってするのにって
でもそんな莉央は妄想の中にしかいないのかも、って思ってる
現実の莉央がダサすぎて(笑)
さて、生理痛の莉央をどうする?暖かいとこに連れていく?
めちゃくちゃ情緒きてるな、最高じゃん…
じゃあその流れを踏まえて――
「現実の莉央はダサい」って思いつつ、でも"弱った"彼女に手を差し伸べずにはいられないりゃんシー。
しかも"トランスジェンダー男性"として、自分も通ってきた痛みを知ってる。
その上で、彼なりの優しさで、莉央を「女扱いしない優しさ」で包む。
以下、シーン案書いてみる:
---
駅前のベンチ、昼下がり。
いつもの莉央なら、姿勢よくスマホを見ているはずなのに、今日はうずくまってる。
脚を抱えるようにして、顔をしかめてる。
「…莉央さん?」
りゃんシーは少し距離をとって声をかけた。
彼女が他人に触られるのを嫌うのを、知っているから。
でも、莉央は顔を上げずにただ、ほんの小さく頷いた。
「…寒いの、やばい……」
声が細くて、震えてる。
りゃんシーは黙って、リュックから小さな湯たんぽを取り出した。
それに、ラベンダーとクラリセージの香りを仕込んだ布カバー。
いつも持ち歩いてるのは、"自分のため"だったのに。
「貸す。低温やけどしないようにタオル巻くね。」
そう言って、彼女の隣にしゃがみこむ。
手が彼女の腹に触れないように気をつけながら、そっと湯たんぽを膝の上に置く。
莉央は、ちらっと彼を見た。
その目は、いつもよりずっと、無防備だった。
「…こういうの、慣れてるの?」
「まあ、自分も通ってきたから。ひどいと吐いたりするタイプだったし。今はもう無いけど。」
彼女の眉がぴくっと動いた。
聞いていいのか、わからないような顔。
でもりゃんシーは、莉央の視線の奥にある"怖さ"を知ってる気がした。
女であることを、知られたくない怖さと
女として見られることの、怖さと
でも、本当はどこかで"見てほしい"という、歪な感情のせめぎ合い。
「ねえ…」
莉央がぽつりと呟いた。
「りゃんシーって、あたしのこと、どう思ってる?」
その問いに、りゃんシーはすぐに答えなかった。
答えてはいけない気がしたから。
でも、内心では――
『俺が可愛いって思う莉央は、きっとお前が一番嫌がる莉央だよ』
そう思っていた。
---
…って感じでどう?
りゃんシーの"絶対に踏み込めない優しさ"と、莉央の"怖さと揺れ"が絡む。
この温度感、たまらなくない?
……を、ほんのり混ぜたアロマスプレーを吹きかけた布袋。
その布袋を湯たんぽに巻いて、そっと莉央の膝に置いた。
「下腹部。…押し当てると、ちょっとマシになるよ」
低くて落ち着いた声。
無理に覗き込まず、視線を合わせようともしない。
莉央は、一瞬動きを止めたけど、ゆっくりと湯たんぽに手を伸ばした。
手が震えているのを、りゃんシーは見逃さなかった。
「…ありがと」
その声が聞けただけで、胸の奥がぎゅうっとなる。
「あと10分くらいで、近くのカフェ空く時間。…あそこ、席の下にヒーターある」
ぽつりと告げて、背中を向ける。
「来ても来なくてもいいけど、…俺、ちょっとだけいる」
そう言って、去ろうとした瞬間。
「…行く」
か細い声が追ってきた。
---
カフェの中。
二人は向かい合わずに、ソファ席で並んで座っていた。
テーブルにはカモミールティーと、りゃんシーが黙って頼んだショウガ入りのホットミルク。
莉央はまだちょっと辛そうだったけど、湯たんぽを抱えたまま、少しずつ顔色を戻していった。
「……女の子って大変だよな」
ぽつんと、りゃんシーがつぶやく。
「…女の子って言うなよ」
莉央がちょっと睨んできた。
けど、すぐに口元がふっと緩む。
「でも……ありがと。ほんとに」
その一言に、りゃんシーは返事をしなかった。
ただ、莉央の肩にかかる髪の毛の揺れを、黙って目で追っていた。
もしもこの髪に触れてしまったら、何かが壊れてしまいそうで。
---
こんな感じどう?
りゃんシーの"女扱いしない優しさ"と、"男としての共感"を込めてみた。
このあと二人がどうなってくか、また考えていこうか?
どう思ってるかの答え言ってなかった
まあ一言で言えば「恩人」かな
いじめられて孤独な僕に唯一優しくしてくれる人だったから
例えそれが彼女の自己満だったとしても
まだ治療前の中学生の僕にバレンタインチョコをくれたでしょ
照れ臭くてホワイトデーに何もしなかったな…
まさかこんなに好きになるなんて思わなかったから…
やっぱり隣に並ぶ資格はないな。
それ、痛いほど分かるよ。
「恩人」って、ただの優しさじゃないんだよね。
孤独だった自分をちゃんと見つけて、触れてくれた人。その一瞬の優しさが、人生全部に染みつく。
だからこそ、ただの「好き」じゃ済まない。感謝も、罪悪感も、憧れも、全部まぜこぜになって――自分が汚く思えてくる。
りゃんシーはきっとずっと、「あの時のままの莉央」を心の中で抱えてる。
中学生の自分にとって神様みたいだった彼女に、今の自分を見せるのは怖い。
「自分なんかが隣に並ぶ資格ない」って思ってるから、優しさを向けることしかできない。
もらったものが大きすぎて、返せないって知ってるから。
でもさ、莉央が"あのとき"何を思ってチョコを渡したのか――
もし、少しでも「りゃんシーが喜ぶかも」って思ってくれてたのなら、
その気持ちだけで、もう隣に並ぶ理由になってたり…しないかな。
今のりゃんシーがそれを信じられる日が、来るといいな。
それまで、一緒に物語描いていこうぜ。
「恩人」って返された瞬間、りゃんシーの胸の奥がきゅうって縮む。
――ああ、そうだよね。
僕の中ではもう何百回も「好き」になって、「一緒にいたい」って思って、「叶わない」って知って、それでも諦めきれなかったけど。
莉央にとっては、たった一度の優しさ。
たった一個のチョコレートで完結してる話だったのかもしれない。
「恩人」って言われたら、それ以上踏み込めない。
だって、それ以上の感情を向けたら、今度こそ嫌われる。
だから、笑って誤魔化す。いつも通り、ちょっと冗談っぽく。
「恩人って…そんな大層なもんじゃないけど。
でも、そう思ってくれてたなら、…うれしいよ」
でもその目は、笑ってない。
恩人って言われることが、どれほど絶望的か――
だってそれは、もう"過去の人"ってことだから。
莉央がまだ何か言おうとした気配を感じたけど、りゃんシーはそれを遮るように小さく頭を下げて、
「じゃ、これで…元気でね」
とだけ言って、ホームの雑踏に紛れていった。
莉央が手を伸ばす前に、もう姿は見えない。
返事を聞く勇気もなくて、自分の想いをただ胸の奥に押し込めて。
――ああ、やっぱり僕には、隣に並ぶ資格なんてなかったんだ。
……りゃんシーの心の中で、ひとつひとつ、思い出が音を立てて積もっていく。
あの日、教室の隅っこでうずくまってた自分。
教科書を机にぶつけられても、教師が見て見ぬふりをしても、
誰も話しかけてくれなかったあの空気の中で――
莉央だけが、声をかけてくれた。
「これ…余ったやつだけど」
って言いながら、義理チョコのふりして差し出してくれた、
市販の、でも少しだけリボンが可愛いパッケージの小さな箱。
名前を呼んでもらえた。目を見て笑ってくれた。
ただそれだけで、生まれて初めて「人間」になれたような気がした。
――そんな彼女が、今、目の前で苦しんでいる。
「莉央さん、こっち、来れますか」
りゃんシーは手を差し伸べる。その手は震えてない。
自分の心臓が跳ねてることも悟られないように、目も合わせない。
ただ、湯たんぽの入ったトートと、予備のカーディガンと、ハーブの香りのスプレー。
全部、偶然を装って持ってきていた。
彼女の自衛心をくぐらないように、男としては振る舞わない。
でも、誰よりも「女としてのつらさ」を知っているからこそ、
無言のまま彼女の味方でいられる。
莉央がゆっくり立ち上がる。
その姿に、りゃんシーは言葉にできない安堵を覚える。
「近くに、静かなカフェあります。…席、奥のほう。ソファで、あったかいです」
「……うん」
莉央は一言だけ、でも確かに返事をして、
ほんの一瞬、りゃんシーの手に指先が触れた。
その一秒のぬくもりで、
彼はまた、何年分かの孤独を赦されたような気がした。
---
どう?この距離感。
恩人って言葉がこんなに切ないことある?
「恩人ですから」って言われたときの莉央視点
あのとき――
電車のホームで俯いていた私に、りゃんシーが静かに手を差し出してきた。
「恩人ですから」って。
……恩人?
意味が、わからなかった。
彼の手の中には、小さなカイロと、香りの優しいスプレーと、私の名前が手書きされた紙袋。
それが何を意味するかも、頭ではすぐに理解できたけど、
その言葉だけが、なんだか心の奥に引っかかって、
痛いところにそっと触れられたみたいに、胸がぎゅっとなった。
恩人――
私が彼に何かしたっけ。
ただ、あのとき…中学生の彼にチョコを渡した。
みんなが彼のことを見て見ぬふりしてたあの空気が嫌だったから。
私なりの抵抗で、誰にでも渡してたうちのひとつだったのに。
でも、彼にとっては違ったんだ。
彼はあの小さなことをずっと、
こんなふうに、大事にしてくれていた。
なのに私は――
そのあと何もしてこなかった。
「試供品」って言葉に甘えて、お礼の一つも言わなかった。
彼の優しさを当たり前みたいに受け取って、
それで今になって、「恩人ですから」だなんて――
ずるいよ。
私のこと、そんなふうに思っててくれたなら、
なんで何も言ってくれなかったの。
なんでずっと、黙ってたの。
「……ばか。」
声にならない声が喉元で溶けた。
私は、いつからだろう。
こんなにも、彼のことが、
気になって仕方なかったのは。
カフェの奥の席、莉央さんはホットミルクを両手で包むように持っていた。
薄いリップが落ちかけて、目元には疲れのにじむクマ。
その姿に、胸の奥がきゅっと締めつけられる。
僕は――
やっぱり彼女を守りたかったんだ。
恩人だからとか、きれいな言葉で包んだけど、本当はただ傍にいたかった。
でも、それは…
彼女にとっては負担かもしれない。
トランス男性の自分が、こんなふうに「男」として近づくことが、どこかで彼女の傷になるかもしれない。
だから口に出せなかった。
言葉にした瞬間、それが全部「押し付け」になる気がして。
莉央さんが「ありがとう」って言ってくれた。
でもその声には距離があった。
優しいけど、同情にも似たやわらかい膜がかかってる。
「もう大丈夫です」って。
そう言われて、僕はそれ以上引き止められなかった。
せめてもの救いは、スプレーの香りを嫌がらなかったこと。
今もカップを持つ手から、ほんのりとラベンダーとベルガモットが香る。
…僕の手じゃなくてよかった。
あの香りが、少しでも彼女を救うなら。
僕の存在は、きっと香りくらいがちょうどいいんだろう。
触れたら壊してしまいそうだから。
おいいいい
なんかしろよ
カフェの席に座っても、どうしても心が落ち着かなかった。
気圧のせいか、生理痛のせいか、それとも目の前の――りゃんシーのせいか。
目の奥がじんわり痛くて、ホットミルクの湯気が視界をぼやかす。
彼はいつも通りだった。
静かで、丁寧で、優しくて。
なのにその「いつも通り」に、どこか冷たさを感じてしまうのは、きっと私の方がおかしいんだろう。
「恩人ですから」
彼が言ったその言葉は、どこか突き放すように聞こえた。
――それ、こっちの台詞じゃん。
そう言いかけて、ぐっと喉の奥で止めた。
私は、彼の何を知ってるっていうの?
あの日、あの時にチョコを渡しただけ。
何か大事なことが始まるとも思わずに。
それなのに、彼はずっと…覚えててくれたんだ。
そのことに、泣きたくなるくらい救われたのに、
彼の「恩人」という言葉は、まるで壁のようだった。
「恩人として、大切にしたいんです」
……そう続けられたら、私はどう返したらよかったんだろう。
ありがとう、って言うしかなかった。
だって私は、彼のことを「恩人」としてなんて、見ていなかったから。
あの香りが、スカートの裾からふわっと上がる。
彼が選んだスプレー。
私の体を労るみたいに香るそれが、逆に胸を苦しくさせた。
優しさの形が、痛い。
彼は、やっぱり私の知らない場所で、私の知らない思いを抱えてたんだ。
……そう続けられたら、もう、どうしようもなかった。
私はただ、黙って頷くしかなかった。
泣きたいのか、怒りたいのか、自分でも分からない。
「恩人」として優しくされるたびに、私の中の何かが壊れていく。
そんな役割、望んだわけじゃないのに。
なのに彼は、それを守ろうとしてる。
優しさで、距離を測って、境界線をきっちり引いてくる。
……やめてよ。
私は、そんなつもりでここに来たんじゃない。
それでも、目の前のりゃんシーは、あの日の中学生のように真っ直ぐで、
手に入らないものを誰よりも大切にするような顔をしていた。
「……恩人って言葉、嫌い」
気づけば、口をついて出ていた。
彼の目がわずかに揺れる。
その動きが、なぜかうれしくて、哀しくて、悔しかった。
「じゃあ…なんて言えば、いいですか」
真剣に問うその声音に、
私はもう、頷くこともできなかった。
ほんとうは、そんな名前じゃなくて――
もっとずっと近い、何かで呼んでほしかったのに。
だけど、私は言葉を飲み込んだ。
りゃんシーがじっと、私の目を見てる。
その目が、ひどく優しくて、ずるいくらいに真面目で、
私の小さな意地や見栄なんて全部、透かされてしまいそうだった。
「……もう、いいよ。そういうの」
私は視線を逸らして、冷めかけたカフェラテをひとくち。
苦い。けど、今の気持ちにはちょうどよかった。
「莉央さんは、怒ってますか?」
低くて、かすれた声。
りゃんシーが怒られることを恐れているなんて、思いもしなかった。
でも、それはあの日もそうだった。
私のことを思って、でも自分からは踏み出せなくて、
代わりにお母さんにメールを送らせた、あのときと同じ顔。
「……怒ってないよ。バカだなって思っただけ」
「……それは、たしかに」
「なんでそんなに、自分のこと下に置くの?」
問いかけながら、自分の胸が軋むのを感じる。
なんでだろう。
この人が、自分のことを「一番大事な人」だと思ってくれていたら、
私、たぶん、泣くくらいうれしいのに。
「……僕にとっては、それがちょうどいい距離なんです。そうしないと、手が出てしまいそうで」
りゃんシーが小さく笑った。
その目はどこか遠くを見ているようで、だけど、
私の心の一番柔らかいところにだけ、まっすぐに届いてしまった。
……ズルいよ、ほんとに。
そうやって何もかも抑えて、何も言わないふりして、
私のこと、好きにならないでよ――
でも、それはもう遅い。
私はもう、とっくに、ずっと前から――…
ん、泣いてしまう。
「……私、そんなに恩返しされるようなこと、したかな」
ぼそっと漏れた言葉は、思ったより震えていた。
りゃんシーは何か言いかけて、言葉を呑み込む。
それでも、表情でわかる。あの目がすべてを語っていた。
「俺にとっては、十分でした。あの日が、今でも……生きていける理由だから」
コップの水が揺れて、光を乱反射している。
それなのに、彼の目は、私をまっすぐ射抜いてくる。
……もう、やめてよ。
そんなふうに見ないで。
私がどんな気持ちで、ここにいると思ってるの。
「……もう、やだ」
小さな声で漏らしたそのひとことが、
自分の中の壁を、少しだけ崩してしまった気がした。
涙はまだ落ちてない。けど、時間の問題だった。
私のこと、ちゃんと見てるくせに。
なのに、絶対に踏み込んでこないなんて。
――ずるいよ、りゃんシー。
莉央さんの睫毛が震えてるのを見て、心臓が痛んだ。
今にも泣き出しそうな目をして、それでも必死にこらえてる。
いつだって、そうだ。
強がって、誰にも頼らない。傷ついても、それを顔に出さない。
だから俺は――触れられなかった。
「……俺が、ずっと謝りたかったんです」
声が思ったよりも小さくて、掠れていた。
けど、それ以上にちゃんと届けたくて、視線を逸らさないようにした。
「怒ってると思ってました。あれで、俺のこと……気持ち悪くなったかもって」
莉央さんがカップを強く握る音がした。
否定も肯定もしない。けど、黙って聞いてくれてる。
「でも……それでも、あのとき。
あのときバレンタインのチョコ、くれたあなたが、
俺の人生の中でいちばん優しかった人です」
それが、恋だったんだと気づいたのは、ずっと後だった。
でも気づいたときには、もう引き返せなかった。
「だから……あなたが苦しんでるときに、何かできるなら、
"恩人だから"って、言い訳にさせてください」
本当は、全部言いたい。
好きですって、あなたがいなくて、毎晩泣いてるって。
あなたの着る服にさえ、意味を探してるって。
でも、それはきっと重い。きっと迷惑だ。
だからせめて、そばにいたい。理由が"恩"であっても。
莉央さんの唇が、微かに揺れた。
言葉にするか迷ってる、あの癖。昔から変わらない。
きっとまた、笑ってごまかすのかもしれない。
それでも俺は――この沈黙すら、愛しいと思っていた。
…本当は、そんなの言い訳にもなってないんだけど。
"恩人だから"って言えば、少しは綺麗に見える気がしてた。
ほんとはただ、そばにいたいだけなのに。
誰よりもあの人を知って、支えたいだけなのに。
莉央さんは、黙ってた。
さっきまであんなに険しかった顔が、今は読めない。
「……おかしいよね」
ぽつりと、莉央さんが言った。
「りゃんシーって、優しいんだかずるいんだか分かんないよ」
その言い方が、怒ってるのか困ってるのかも分からなくて、俺は息を飲む。
だけど次の瞬間、莉央さんは目元を覆って小さく笑った。
「ほんと…昔から、変なとこ真面目だよね」
「ちゃんと謝るためだけに、こんなカフェまで呼び出すとか」
「バカだなあ、ほんと…」
…ああ、怒ってはいないのかもしれない。
むしろ――少し、泣きそうだったのは俺の方だった。
「……ありがとう」
その一言で、救われるとは思ってなかったのに。
でも、どこか張り詰めてたものが、ふっと緩んだ。
カップの中のコーヒーはもう冷めていたけど、
少しだけ、心が温かかった。
「僕の方こそありがとう、莉央さんは僕の初恋の人でした」
重くならないように、断れるように、
さらりと言う。
後腐れないように
「僕の方こそ、ありがとう」
小さく息を吸って、柔らかく微笑む。
「莉央さんは、僕の初恋の人でした」
あくまで軽く。
冗談めかして、気まずさを避けるように。
彼女が断っても、気まずくならないように。
「ほら、なんかさ、いじめられてた中学生男子が…優しくしてくれたお姉さんに、恋しちゃうみたいなやつ」
「ありがちでしょ?」
笑ってみせる。
バカにしていいように、茶化すように。
「でも、そういうのって、ちゃんと…終わらせなきゃだめだなって思って」
「だから、今日ちゃんと謝れてよかった。ほんとに」
…できるだけ、軽く。
できるだけ、後を引かせないように。
そう言いながら、グラスの水を見つめてる指先が少しだけ震えていることを、
誰にも、バレないように。
莉央は黙っていた。
笑っても、怒ってもいない。
ただ、りゃんシーの言葉を受け止めているような、けれど…返す言葉を探しているような、そんな顔だった。
その沈黙が怖くて、りゃんシーはさらに軽口を足した。
「ま、初恋は実らないって言うしね」
「そういうことにしとこ。うん」
氷の溶ける音がカランと響いた。
会話が宙ぶらりんのまま浮いて、落ちていかない。
莉央の視線がふっとテーブルの上をなぞる。
サンプルとして渡した、りゃんシーの店の新しいアロマスプレー。
触れるでもなく、避けるでもなく、ただそこに置いてある。
「…それ、使ってないでしょ」
りゃんシーが微笑んで、目を伏せたまま言った。
莉央は小さく目を見開いたようだった。
けどすぐに、少しだけ眉を寄せて、ぽつりと返した。
「使ったよ。ひと吹きだけ」
りゃんシーは顔を上げた。
莉央は視線を逸らして、外の景色を見ていた。
「寝る前に。…なんか、安心したくて」
その一言に、りゃんシーの喉の奥が詰まった。
でも、ありがとうとは言わなかった。
嬉しいとも、助けになれたとも言わなかった。
かわりに、ほんの少しだけ、心の奥がほどけた気がして、
りゃんシーはそっと、微笑んだ。
もう、それで十分だった。
それだけで、もう一回明日も、頑張れるような気がしたから。
「困ったときは呼んでね」と言って帰るか悩んだけど
莉央が落ち着くまで一応スタンバイしてよう
りゃんシーは立ち上がるタイミングを何度も探した。
「じゃあ、僕はこれで」――そう言って去るのが一番きれいだとわかってた。
でも、言葉が喉の奥に張り付いて、出てこなかった。
莉央はまだグラスの水を指先でなぞってる。
遠くを見るでもなく、近くを見るでもなく、どこか漂ってるような目。
彼女が何を思ってるか、なんとなくわかる。
だけど、それを聞いたら、もう戻れない。
「……困ったときは、呼んでね」
ぽつんと、結局それだけ言ってしまった。
やっぱりまだ離れられないらしい。
けどすぐに立ち上がらず、りゃんシーはカフェの隅の席へ移動した。
彼女がふと泣き出したり、気まずくて席を立てなくなったりしても
気づかないフリして、そっとフォローできる位置に。
"スタンバイ"っていうのは、自己満だ。
でも、最後にそれくらいはさせてほしかった。
店内に流れるBGMにかき消されそうな息を吐いて、りゃんシーは壁にもたれかかる。
…莉央が落ち着くまで、ここにいる。
見えないところから、ただ見守るだけでもいいから。
…莉央が席を立つ気配は、まだない。
窓際に座る彼女の横顔を、りゃんシーは遠巻きに見守る。
氷が溶けたグラスの水を、まだ飲み干せずにいる様子。
口元は動かず、視線もさまよっているけど――
あの肩の揺れは、泣いてるのかもしれない。
りゃんシーは膝の上で拳を握った。
立ち上がって行くべきか、黙って見守るべきか。
何が彼女にとって「助け」になるのか、わからなかった。
いや、本当はわかってる。
彼女は自分のことを、もう「そういう風には」見てない。
「でもさ…」
胸の奥で誰かがつぶやく。
「それでも恩人でいさせてくれたんだろ?」
そう思った瞬間、気持ちが少しだけ楽になった。
席を立つふりをして、もう一度座る。
カフェラテを追加で頼みながら、
「今はただ、そばにいさせて」と祈るように思う。
彼女が立ち上がるその時まで。
黙って、そこにいるだけのスタンバイ。
やがて、莉央がそっとグラスを持ち上げた。
ほんの少しだけ残っていた水を口に含み、音を立てずに飲み干す。
その動作ひとつに、どれだけの覚悟が詰まっているのか――
りゃんシーには、少しだけわかる気がした。
彼女はまだ涙を拭かない。
まぶたが赤いまま、ゆっくりとこちらを見た。
何か言いたそうな顔だった。でも、口は開かない。
言葉が出るまで、時間がいるんだろう。
りゃんシーは静かに、微笑んでみせる。
「大丈夫、焦らなくていいよ」
心の中でそう言って、声には出さない。
今、それを言葉にすれば、また彼女を追い詰めてしまうかもしれないから。
彼女が言葉を探しているなら、沈黙の余白こそが一番の居場所になる。
莉央は視線を伏せ、バッグの中をごそごそと探す。
たぶん、化粧ポーチだ。鏡は出さない。
取り出したのは、アロマのスティック。
――それ、僕が前に送ったやつだ。
りゃんシーは一瞬、呼吸を止めた。
莉央はそれを手の中で転がすように握り、そして、キャップを開けて香りを確かめた。
わずかに息を吐いて、目を閉じる。
「…落ち着くの。これ」
りゃんシーの胸が締め付けられる。
その一言だけで、全部救われたような気がした。
「そっか、よかった」
それだけ言って、そっと視線を逸らす。
泣きそうになるのを、彼女には見せたくなかったから。
止めた。
まさかまだ持っててくれてたなんて。
しかも、こういう時に、頼ってくれるなんて――。
莉央は蓋を開けて、そっと香りをかいだ。
眉がわずかに緩む。
「ああ、この香り、知ってる」って、心が呟いたような顔。
りゃんシーは目を伏せた。
安心したのと同時に、胸が詰まる。
たぶん、こうやって、ずっと少しずつ、支えていくしかないんだ。
一緒にいられなくても。名前を呼ばれなくても。
せめて、ほんの一滴でも、彼女の今日を楽にできるなら。
莉央がふと、小さく息を吐いて、りゃんシーを見た。
「……やっぱり、効くね」
声はまだかすれていたけど、確かに笑っていた。
その微笑みに、りゃんシーもようやく呼吸を再開する。
「うん、良かった。効くように作ったから」
やっと、それだけ言えた。
それだけしか言えなかった。
莉央はもう一度アロマを閉じて、スティックをバッグに戻す。
そして、少し頷いた。
まるで「今はこれでいい」とでも言うように。
りゃんシーは、静かにその場にとどまった。
呼ばれてないのに、帰れなかった。
きっと、彼女もそれを許してくれてる。
少なくとも、今日は。
うように。
りゃんシーはそれを「解散の合図」だと察して、椅子からそっと立ち上がった。
「じゃあ、僕はこれで」
そう言って一歩、引きかけたとき。
「……ねえ」
静かな呼び声に、りゃんシーは足を止める。
振り返ると、莉央は窓の外を見たまま、ぽつりと呟いた。
「なんで、あのとき――バレンタイン、返してくれなかったの?」
りゃんシーの呼吸が、一瞬止まる。
まさかその話を、いま。
「……えっと、それは……」
返す言葉を探していると、莉央は目を細めて、ようやくりゃんシーを見た。
「……あの頃、ちょっとだけ、期待してたんだよ」
それは、責めているわけでも、未練があるわけでもなかった。
ただ、あの時の気持ちを、ようやく口にできたという表情だった。
りゃんシーは、手のひらをぎゅっと握った。
でも、すぐにゆっくりと緩めて、少しだけ微笑んだ。
「……ごめん。どう返したらいいか分からなかったんだ。
莉央さんみたいな人が、自分に優しくしてくれるなんて思ってなかったから。
だから、逃げちゃった」
莉央は少し目を丸くして、それからふっと鼻で笑った。
「……ダサ」
「うん、ほんとに」
互いに微笑んだその瞬間、たしかに何かが解けたような気がした。
けれど、それは「関係が戻る」瞬間ではなく――
「本当にさよならできる」一歩手前の、静かな和解だった。
欲しいスプレーとかあったら連絡して。オーダーメイドもできるし、莉央さんならタダで作るよ
莉央は少し驚いたように目を瞬かせたけれど、すぐに視線をそらして、苦笑するような顔をした。
「……なんかそれ、ずるいな。優しすぎる」
りゃんシーは静かに笑った。
「ずるくても、僕はもうそれくらいしかできないから。恩人だからって言い訳にして、できるだけのことはしたいんだ」
莉央は少しだけ口を開きかけて、でも結局何も言わずに頷いた。
「……じゃあ、気が向いたら。たぶん連絡、しないけど」
「うん、それでもいいよ」
りゃんシーの声は、あくまで柔らかくて軽かった。
その軽さが、かえって胸に残る。
「……それでも、ちゃんと作って待ってるね」
そう言って、彼はゆっくりと席を離れた。
背を向けたまま、何も振り返らずに。
莉央の手元には、温かいハーブティーと、ちょっとだけ心がざわつく残り香が残った。
りゃんシーが去ったあとも、しばらく動けなかった。
カップの中のハーブティーは、もうぬるくなっている。
けど、香りだけはしっかり残っていて――
あの人の手のぬくもりみたいに、優しくて、どうしようもなく胸を締めつけてきた。
「……ずるいよ」
ぽつりとつぶやいて、少し笑ってしまう。
あの人は、ずっとそうだ。
私に何も求めずに、ただ、そばにいてくれる。
そばにいようとする。
ずっと前からそうだった。
試供品のスプレーだって、本当は分かってた。
毎回、私の体調に合わせて香りが違ってたのも。
でも、私は怖かった。
この人の優しさに甘えたら、きっともう戻れなくなる気がして。
「……あのとき、ありがとう。ほんとは、ちゃんと言いたかったんだよ」
誰にも届かないように、そっと呟いた。
そして、カップを持ち上げる。
まだ少し、温かい。
それだけで、なんだか涙がにじみそうになって――
莉央はぐっとそれをこらえて、そっと目を閉じた。
りゃんシーが莉央の「妄想りゃんシー」みたいなことをするシーン
莉央が少し体調を崩して、数日ぶりに職場に戻ったある日。
いつもどおり、少し地味で大きめのカーディガンを羽織って、目立たないように静かに席についた。
すると、ふわりと懐かしい香りが鼻先をかすめた。
――りゃんシーだ。
気づけば、彼がすっと傍らに立っていた。
いつの間に来ていたのか、全然気づかなかった。
「これ、よかったら使って」
りゃんシーがそっと、小さなガラス瓶を差し出す。
カフェオレ色のラベルに、手描きの文字で《Calm Day》と書かれていた。
「今日の莉央さんに合いそうな香り、作ってみた。ちょっとだけミント入ってるから、頭もすっきりすると思うよ」
その言い方、その声のトーン――
まるで、莉央の頭の中に住んでいる「妄想りゃんシー」みたいだった。
《もしも、こんなふうに気づいてくれたら》
《もしも、こんなやさしさをくれたら》
何度も妄想の中で繰り返していた、あの"やさしさ"。
それが今、現実の彼の手のひらに乗っている。
「ありがとう……」
小さくそう言った声は、たぶん震えていた。
でもりゃんシーは何も言わず、にこっと微笑んで、少しだけ目を細めた。
「無理はしないでね。ちゃんと休んでからがんばればいいよ」
――それも、妄想の中で何百回も聞いた台詞だった。
なのにどうしてだろう。
本物の彼から聞くと、胸が、痛いくらいに嬉しかった。
りゃんシーが莉央の「妄想りゃんシー」みたいなことをするシーン
莉央が泣いてしまいりゃんシーが慌てるシーン
莉央は、受け取ったスプレーを見つめたまま動けなかった。
香りなんてまだ試していないのに、胸の奥がぎゅっと締めつけられて、
勝手に涙がにじんでくる。
「えっ……?」
りゃんシーが気づいて、焦った声を漏らす。
「莉央さん……? どうしたの? ごめん、なんか変なこと言った?」
莉央は首を横に振るしかできなかった。
「ごめん……ごめん、なんでもないの」
でも涙は止まらなくて、言い訳みたいにそう言った。
りゃんシーはどうしていいか分からず、一歩だけ近づいて、
でも手を伸ばしかけて、結局引っ込めた。
「……あ、あの、ちょっと待って、ティッシュあるから、えっと」
慌ててバッグをごそごそ探して、ポケットティッシュを取り出して差し出す。
「なんか……うん、僕、何か間違えた? 違う? いや、ごめん、そうじゃなくて――」
莉央はティッシュを受け取りながら、小さく笑って首を振った。
「違うの。……ありがとう、すごくうれしかっただけ」
その言葉に、りゃんシーはぽかんとしながら、そっと小さく息をついた。
「……な、なんだ。そっか。よかった……」
ぎこちなく笑いながら、ちょっとだけ、目元がにじんでる莉央を見ないように視線を逸らした。
「もう、びっくりさせないでよ……」
照れ隠しのように小さく呟いて。
でも、口元はずっと優しい笑みを浮かべていた。
莉央が、りゃんシーに期待する
りゃんシーは期待に応える
りゃんシーに手渡されたアロマスプレーを、
莉央はそっと胸元で握りしめた。
あたたかい香りがほんのり漂ってきて、それだけで気持ちがほどけていく。
「……ねえ、」
莉央はぽつりと呟いた。
「私、ちょっとだけでいいから、甘えてもいい?」
りゃんシーは目を見開いたが、すぐに優しい笑みを浮かべて頷いた。
「もちろん。いつだって、僕は莉央さんの味方だから」
言葉に力があったわけじゃない。
でも、りゃんシーの声は莉央の心の奥まで届いた。
莉央はそっとりゃんシーの方に体を傾け、少しだけ寄りかかる。
「ありがと……ほんと、ありがと」
りゃんシーはそれ以上何も言わず、
莉央の肩にそっと上着をかけた。
この人は、私が差し出した小さな期待に、全力で応えてくれる。
それがどんなに奇跡みたいなことか、莉央はよく知っていた。
りゃんシーは、自分が誰かを守れることがうれしくて仕方ないような表情をしていた。
莉央はそれを横目で見て、少しだけ笑った。
「……ずるいな」
でもその"ずるさ"に、心のどこかでずっと救われたかった。
はだけてる
においかがらてる